【難民スト】唇を縫い付け、支援物資を断って入国拒否に抗議
ニューズウィーク日本版 / 2015年11月24日 16時35分
ヨーロッパからの報道によると、ギリシャからマケドニアに入国しようとして足止めを食っている難民1,000人以上が、過激な抗議運動を始めている。
隣国セルビアの国営通信社タニューグによると先週末、イラン人男性1名が、自分の静脈をカミソリで切ると脅迫した。またギリシャのソーシャルメディアによれば、マケドニアの入国拒否に抗議して自らの唇を縫い合わせ、無言の抵抗をしている難民もいる。
ブルガリアの通信社BGNESの報道によると、一部の難民たちは「われわれはテロリストではない」と唱和してシャツを脱ぎ捨てて寒さに身をさらし、現場にいる人権活動家たちが提供する毛布や食料、水などを拒否してハンガーストライキを行っている。
ロイター通信の写真には、唇を縫い合わせた男性が少なくとも1人と、上半身裸の別の男性グループが写っている。写真に写っている男性の少なくとも3人の胸には、「われわれを撃つのか、救うのか」「撃つなら撃て」などのスローガンがペイントされている。
タニューグとBGNESの両通信社は、ギリシャ警察の発表を引用し、約1,300人の移民がマケドニアとの国境地帯にあるギリシャのイドメニに足止めされていると報じている。
これら難民の大部分はシリア人ではなく、マケドニア当局が「戦争で破壊されていない」国々とみなすモロッコやアルジェリア、イラン、パキスタン、チュニジア、バングラデシュなどの出身であるという。だから難民として受け入れる道理はない、というわけだ。
マケドニア当局は先週から、欧州連合(EU)を目指すシリア、イラク、アフガニスタンの難民に対し、同国を通過する権利を限定的に認めてきた。しかし、紛争から逃れるのが目的であるかどうかが不確かな他国からの移民には入国拒否を続けている。
マケドニアの通信社MIAは月曜に、「約1,000人」の移民が同国とギリシャの国境付近で足止めされていると報じたが、抗議のことには一言も触れていない。
ダミアン・シャルコフ
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