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中国の拉致をカネ重視で黙認する国際社会

ニューズウィーク日本版 / 2015年12月4日 16時30分

 香港の出版人アーハイが連行された際にも、彼と共にいたのはタイで難民認定を希望していた人たちだ。中国の国家機関が第三国でやりたい放題に行動している事実は、東南アジアなどの周辺国が着実に北京の植民地と化しつつある表れではないか。

 しかもスウェーデンは自国民が独裁政権に拉致監禁されても沈黙を通すことで、中国との経済的なつながりを優先した。基本的人権よりもゼニカネを重視した対応であり、世界が中国の無法ぶりを放任し続けている実例がまた1つ増えたことになる。

 ここで忘れてはいけないのは、8月にバンコクで発生した爆破事件だ。このいわゆるテロ行為はタイ経由でトルコ行きを希望していたウイグル人が多数、中国に強制送還されたことへの不満に端を発している。

 テロ自体を非難すべきとともに、独裁国家の横暴とそれに対する国際社会の黙認こそが悪を生む温床になっていることも認識せねばならない。

[2015.12. 8号掲載]
楊海英(本誌コラムニスト)


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