【写真特集】抑圧と発展の20年、変わりゆくチベット
ニューズウィーク日本版 / 2016年1月4日 9時0分
私がチベット自治区を初めて訪れたのは97年。15年5月に再訪し、その変化を写真に収めた。
かつてのチベットでは、中国政府に禁じられていたものの、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(インドに亡命中)の肖像をよく見掛けた。一方で、中国国旗や指導者の写真はほとんど飾られていなかった。それが今や区都ラサの至る所、特に観光地や寺院・僧院には中国国旗がはためいている。
経済発展の続く中国から多くの漢民族がチベットに押し寄せ、小さな農村は高層ビルの街へと変わっていく。こうした開発はチベットに繁栄をもたらすと、中国政府は言う。
しかし多くのチベット人が、開発により自分たちは社会の隅に追いやられると嘆く。新たな労働市場で求められるのは中国語。彼らの多くは中国語があまり話せず、仕事も見つからない。
08年のチベット騒乱後、中国はチベットへの政治的、社会的、軍事的な締め付けを強化。これに抗議するチベット人の焼身自殺は09年以降、150件近く起きている。中国側はそんな事実を否定し、開発の陰に覆い隠そうとしているかのようだ。
ーQ.サカマキ
ラサのナイトクラブで
ダライ・ラマの宮殿で世界遺産でもあるポタラ宮の前を漢民族の新郎新婦が行く
中国の経済発展の波を受けチベットの農村も次々と開発されていく
チベット仏教の聖地ジョカン(大昭寺)前の広場で祈る人々
歌いながら屋根のしっくいをたたき固める建築行事があるが、こうした伝統文化は消えつつある(ギャンツェ)
チベットの子供たちの未来は暗いのか
中国の習近平(シー・チンピン)国家主席のポスターも売られている
ポタラ宮を訪れる観光客のほとんどが漢民族
Photographs by Q.SAKAMAKI
<本誌2015年9月29日号掲載>
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Photographs by Q.SAKAMAKI
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