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「激動の2016年」7つの展望 - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

ニューズウィーク日本版 / 2016年1月12日 15時30分

(6)日本の参院選では、景気への危機感から安倍政権が「憲法の争点化」と「衆参同時選」の2つを断念するのであれば、与党大敗は回避されて政権は存続する。一方で、憲法を争点としながら欲張って同時選を行うと、与党は過半数割れして連立協議となるが、協議が難航して長期化する中で国債の格付けが下がり国家として危機的な状況に陥る。

(7)円については、ドルの利上げが消極的になりドル安圧力が円高に触れる一方で、これを嫌って日銀が再度の流動性供給に進むと、インフレがコントロール不能になる副作用の危険が大きくなることから、介入には慎重でありつつ「企業の連結業績での円高デメリットが原油安メリットで相殺される均衡点」をうまく移動できれば、為替政策としては上策。その場合のボックス圏は118円から108円。


<追悼 竹田圭吾氏>
 本欄でのコラム執筆を開始したのを契機として、ご縁があり、その後も一時帰国のたびにお目にかかっていたのですが、アメリカでは出演されていた情報番組などは見ることができない関係で、ここまで病状が進んでおられることは存じませんでした。

 考えてみれば、国際的な視点、中道現実主義、多角的な観点など対象に対する姿勢などでは、強い「同志」意識を私は持っていたのですが、どういうわけか、お目にかかると「激論」にならないどころか、「清談」といった趣でいつも終わってしまうのが常でした。

 それはそれで常に爽やかな余韻を残すものであり、お互いの関係性ということでは、そんなお付き合いで良かったのかもしれませんが、竹田さん独自の思想や態度のようなものの「核」の部分まで突っ込んでうかがうようなことができなかったのが悔やまれます。

 考えてみれば、現在世界的に話題になっているポピュリズムの問題など、竹田さんが鋭い視線でみつめておられたイシューについて、もっとお話をしておけばよかった、訃報に接する中で、そんな後悔が沸き起こってくるのを感じます。

 そういえば、昨年末の「国会議員の育休への反発」問題や、パリのテロに関してフランスの「政教分離主義が胸を張りすぎる」問題などに関するツイートには鬼気迫るものがあったわけで、それを私は遺言として受け止めています。

 それにしても、享年51歳。何という若さでしょう。成熟ということも含めて人生を駆け抜けて行かれたということなのでしょうが、このような形で見送る痛みというのは厳しいものです。最後になりましたが、竹田さんどうもありがとうございました。ご冥福をお祈りします。

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