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デビッド・ボウイ、最後のアルバムに刻んだ死にざま

ニューズウィーク日本版 / 2016年1月12日 16時40分

 フェイスブックに寄せた追悼文で、『★』のプロデューサーであり、ボウイの長年のコラボレーターでもあるトニー・ヴィスコンティは、明白な事実を認めている。ボウイの最後の作品は、意図的な別れの言葉であり、「別れにあたっての贈り物」なのだ、と。

一昨年の夏にベルリンで開催された展示会でインスタレーションとして並べられたアルバムジャケット。右列、下から2番目の『英雄夢語り(ヒーローズ)』のジャケット写真は、写真家・鋤田正義氏の撮影によるもの Tobias Schwarz-REUTERS

「彼は常に自分がやりたいことをした」とヴィスコンティは記している。「彼は自分のやり方、最良のやり方を望んだ。彼にとっては、死も、生と変わりがない――アートとしての作品なのだ。彼はわたしたちのために『★』を残してくれた。別れのプレゼントとして」

 1月11日、ファンたちは、ボウイの死が『★』に悲しくもゾッとするような余韻を与えていることに気づいた。

 ボウイは最高のタイミングで死を迎えた。彼の死は69歳の誕生日に『★』をリリースした2日後に訪れた。

 彼は、これ以上にない、いかにもボウイらしい流儀でこの世を去った。40年以上にわたり、彼の人生とアートは切り離せないものだった。彼の死もまたそうであることは、当然のことだろう。

『アラジン・セイン』のジャケット写真のタトゥーを入れた女性が、ロンドンの街中に描かれた壁画の前で故人を追悼していた Stefan Wermuth-REUTERS

ザック・ションフェルド


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