【まんが】投入と産出、原因と結果、努力と報酬の「不均衡」は一貫している
ニューズウィーク日本版 / 2016年1月18日 15時48分
美礼「でもそれって絶対の法則なの?」
碧「自然界の法則なの。人間も自然の一部だから、この法則から逃れることはできないの」
80対20の法則の理解
80対20の法則とは、投入、原因、努力のわずかな部分が、産出、結果、報酬の大きな部分をもたらすという法則です。たとえば、あなたが成し遂げる仕事の80%は、費やした時間の20%から生まれます。つまり、費やした時間の80%はわずか20%の成果しか生まないということです。これは一般の通念に反しますし、受け入れがたい側面を持っています。努力した80%が無駄になったような気がするからです。しかし、この法則は事実なのです。
『まんがでわかる 人生を変える80対20の法則』より
投入と産出、原因と結果、努力と報酬の間には、どうにもできない不均衡があり、その不均衡の割合は、多くの場合おおよそ80対20 になります。投入の20%が産出の80%、原因の20%が結果の80 %、努力の20%が報酬の80%をもたらすのです。それを図解化したのが、上の図表です。
ビジネスの世界で、この法則がはたらいている例は枚挙にいとまがありません。通常、売り上げの80%を占めているのは、20%の製品であり、20%の顧客です。利益に換算しても、この比率は変わりません。
社会をみると、犯罪の80%を20%の犯罪者が行っています。交通事故を起こしているのは、ドライバーの20%であり、離婚件数も80%が結婚と離婚を繰り返す20%の人たちによって占められているのです。
カーペットの擦り切れる部分は、だいたいいつも決まっていて、擦り切れる場所の80%は20%の部分に集中しています。侵入防止の警報装置の誤作動の80%は、20%の原因で起こっています。エンジンでも、この法則は見事に当てはまり、燃料の80%は無駄になっていて、実際に車輪を回しているのは20%にすぎないのです。
パレートの発見――必ず不均衡がはたらく
80対20の法則の基本原理が発見されたのは1897年で、発見したのはイタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートでした。この法則は、発見以来、経営者やコンピューター研究者、品質管理者などに大きな影響を及ぼしてきました。それではパレートはどんな発見をしたのでしょうか。
彼は、19世紀のイギリスにおける所得と資産の分布を調査していました。そして所得と資産が一部の人たちに集中していることを発見したのです。これに加えてパレートはふたつの奇妙な事実に気づきました。
ひとつは、所得・資産分布が人口の一部の人々に偏っているという事実でした。わずか20%の人たちに資産総額の80%が集中していた場合、机上では、10%の人たちに資産総額の65%が集中し、5%の人たちに資産総額の50%が集中する計算になります。調べてみると実際にそうなっていました。大事なことは、富の分布の不均衡に法則性があったということです。
もうひとつは、時代と国を問わず、集めたデータを調べてみると、この不均衡のパターンが一貫してくり返し現れるということでした。パレートはこの事実を知って興奮しました。イギリスの昔のデータであっても、他の国の現在のデータ、過去のデータであっても、まさに数学的な正確さで、同じパターンがくり返し認められたのです。
※第5回【まんが】人間は保守的だから、80対20の法則は活用されにくいが はこちら
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
「第65回電池討論会」出展・講演に関するお知らせ/電池の発火を未然に防ぐ世界初「インライン全数検査用 電池非破壊画像診断システム」
PR TIMES / 2024年11月18日 16時45分
-
まんがで知る! ジェンダー問題と国際協力 『気候変動に立ち向かう3人の女の子の物語~ソマリア、カンボジア、ペルーより~』 ~国際NGOプラン・インターナショナルが発刊
PR TIMES / 2024年11月14日 17時0分
-
トランプ次期政権が韓国経済に及ぼす最も有力なシナリオ「T.R.U.M.P」とは
KOREA WAVE / 2024年11月8日 9時0分
-
【私らしく書く】「何か書いてみよう」と思うあなたへ...人気エッセイストが伝える書くことの救い
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月1日 16時50分
-
「ロイヤル顧客」との関係構築が企業の命運を握る…新規開拓ではなく“顧客育成”が重要である理由
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月28日 11時15分
ランキング
-
1対人地雷の「再び高まる脅威」懸念 国連事務総長 米の供与発表後
AFPBB News / 2024年11月25日 19時25分
-
2英仏、ウクライナ派兵議論か=トランプ氏就任に備え―ルモンド紙報道
時事通信 / 2024年11月25日 21時46分
-
3一晩で20万人超が一斉サイクリング、「道一帯が自転車でふさがる」…中国政府は抗議行動再燃を警戒し外出規制も
読売新聞 / 2024年11月25日 19時53分
-
4米地裁、議会襲撃でトランプ氏起訴取り下げ認める 検察の申請受け
ロイター / 2024年11月26日 8時45分
-
5レバノン停戦「合意目前」 米仏大統領、近く発表か
共同通信 / 2024年11月26日 9時27分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください