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原油暴落で縮小するロシア、北方領土もやがて重荷に?

ニューズウィーク日本版 / 2016年2月2日 16時0分

 日本から上目遣いして擦り寄る必要はない。水を向けるだけでロシアは応じてくるだろう。G8に再び加わる意欲を示してくるかもしれない。ロシアのGDPは世界15位のメキシコ程度になってしまったのだが。

 北方領土問題をいま解決しなければならないと思い詰める理由もない。ロシアはオホーツク海の原子力潜水艦や沿海地方の軍を守るため北方領土は返さないし、自衛隊と在日米軍への牽制をやめはしまい。日本が領土問題で妥協してロシアと戦略パートナーになったところで、弱体な極東地方のロシアには中国を抑える力などない。ロシアに擦り寄らずとも、日本はロシアから原油、天然ガス、石炭とも、年間消費の10%弱相当の量を既に輸入している。

 日本の立場が低下していたこの10年ほどの間、北方領土問題をロシアに有利な形で解決する好機と見て、いろいろ働き掛けをしてくるロシア人もいたが、それに乗るのはお人よしだ。協力を続けスマイルしながら、ロシアの背に領土問題を重荷となるようによいしょと乗せてやる。権謀術数を駆使した、いわば「ワルの外交」が望まれる。




[2016.2. 2号掲載]
河東哲夫(本誌コラムニスト)


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