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中国政府、来月の全国人民代表大会で国防予算2桁増を発表へ

ニューズウィーク日本版 / 2016年2月16日 17時54分

 中国は来月開催する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、引き続き2桁増となる国防予算を公表する見通しだ。共産党は改革に対する軍内の不満を抑えるほか、南シナ海や台湾をめぐる懸念に対処する。

 昨年の国防予算は10.1%増で、1桁台となっている国内総生産(GDP)の伸びを上回る増加幅となった。

 軍関係者が匿名を条件にロイターに明らかにしたところによると、軍内では今年の国防予算30%増も議論されたという。ただ、実際の伸び率はそれほど大幅に拡大しないとみられる。この関係者は「党は人員削減が軍の軽視を意味しないことを示す必要がある」と話した。

 習近平国家主席は東シナ海や南シナ海における領有権問題で強硬な姿勢をとる中、人民解放軍の30万人削減や指揮系統の刷新を通じ、軍の近代化を図っている。

 一方で、軍改革は職の将来に不安を持つ兵士や将校からの反対に直面しており、習主席としては国防予算の大幅増額でこうした不満をなだめる必要がある。

 中国国防省に国防予算についてコメントを求めたが、回答は得られなかった。

 人民解放軍の機関紙・解放軍報は先月と今月に掲載した論評記事の中で、一部の兵士は軍改革に不安を感じていると指摘する一方、兵士に対し、職が維持できるのか「考えすぎる」のをやめ、党への忠誠を尽くすことに集中すべきだと呼び掛けた。

 西側のある北京駐在外交官は「(削減対象となる)30万人はどこへ行くのか。何も情報はない。国有企業が受け皿になるのだろうか」と疑問を呈した。

海軍の重要性

 昨年の中国国防予算の規模8869億元(1364億ドル)は、米国のほぼ4分の1に当たる。ただ、2桁の伸び率はほとんど途切れることなく20年にわたって続いている。

 外交問題で政府への助言も行っている北京大学国際関係学院の賈慶国教授は、国防予算の大幅増額が話し合われているのは間違いないと指摘。「軍事演習や軍改革、軍事即応能力の強化はすべて金がかかる」とした上で、「特に海軍の重要性はこれまでになく高まっている。南シナ海での活動は間違いなく、国防予算に影響を及ぼす」と述べた。

 米艦は先月、南シナ海で「航行の自由」作戦を実施。これを受けて、中国国営の有力タブロイド紙「環球時報」は「景気減速局面にもかかわらず、国防予算の高い伸びを保たなければならないことを気付かせた」と指摘。「中国は核報復能力を含め、戦略的攻撃能力の構築を加速する必要がある」とした。

 また、先月の台湾総統選挙で台湾独立を志向する最大野党、民主進歩党(民進党)の蔡英文主席が勝利したことで、中国のタカ派の鼻息も荒くなっている。

 人民解放軍の元少将である羅援氏は環球時報に寄稿し、「台湾独立分子がわれわれを窮地に追い込むならば、軍事力で統一を推し進める以外に選択肢はなくなる」と訴えた。

 (Ben Blanchard記者 執筆協力:Megha Rajagopalan, and J.R. Wu in TAIPEI 翻訳:川上健一 編集:加藤京子)

[北京 16日 ロイター]


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