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北朝鮮、悪名高き公開処刑の「極秘プロセス」

ニューズウィーク日本版 / 2016年2月22日 11時57分

 処刑は、街に張られたポスターなどで住民に伝えられる。北朝鮮の公開処刑は統治するための「見せしめ」の意味合いが強く、希望者だけが見るわけではない。子どもを含めた全住民が動員され、処刑を見なくてはならない。

 さすがに残虐な公開処刑を見たくない住民は、ワイロを払って動員を免れる。特に「子どもには見せたくない」と考える親たちが多い。

 死刑囚は柱や木にロープで縛りつけられ、銃殺刑執行隊が何発かの銃弾を撃ち込む。死刑囚が息絶えたことを確認した後、遺体を柱から外し、袋に詰め込み、そしてトラックに載せてどこかへと運んでいく。

 北朝鮮政府は公開処刑や死刑について公式には発表していない。しかし、脱北者や内部の取材協力者などの証言で公開処刑の実態が国際的に知られるようになり、「世界最悪の人権侵害国家」と言われるに至った。

 現在、公開処刑を行っているのは世界の249の国・地域の中で、イラン、サウジアラビア、そして北朝鮮のみであり、これらの国々が「人権侵害国家」の汚名を免れることはできない。

[筆者]
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト)
北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ――中朝国境滞在記』(新潮社)、『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)、『北朝鮮ポップスの世界』(共著、花伝社)がある。

※当記事は「デイリーNKジャパン」からの転載記事です。




高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト) ※デイリーNKジャパンより転載


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