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シリア停戦後へ米ロとトルコが三巴の勢力争い

ニューズウィーク日本版 / 2016年3月7日 17時0分

【参考記事】アサドやISISより多くの民間人を殺したロシア

 トルコは「共通の敵に立ち向かう」ためにサウジアラビア、カタールと軍事同盟を結んだばかりだ。しかし、この中東の2国がアメリカの許可なしでシリアに介入することはあり得ない。

 アメリカ国内ではトルコと協力してシリア北部に「安全地帯」を設ける案が声高に叫ばれているが、ロシアと直接対決になるリスクが大き過ぎる。

「ロシアが空爆を開始した時点でオバマ米大統領は『シリアをロシアとの代理戦争の場にすべきではない』と明言した」と、ランディスは指摘する。「これがアメリカの方針であり、今後も変わらない」

 シリアでは政府軍の攻勢が続いている。経済制裁を解除されたイランも、イラクのシーア派とシリアのアサド政権へのテコ入れを強化するだろう。地元の記者によれば、アレッポの反政府派の支配地域では燃料不足が深刻だという。

 12年に反政府派がアレッポを掌握した時点ではアサド政権の崩壊は時間の問題に見えたが、血みどろの内戦を経て、今や形勢は逆転している。

 ミュンヘンでの停戦合意はシリア政府軍によるアレッポ制圧の序章になるだろう。そしてイラン・イラク戦争以来、中東で最大の犠牲者を出し続ける紛争は終わりの始まりを迎える。

[2016.3. 1号掲載]
オーエン・マシューズ


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