【再録】マイケル・ジョーダンは私を抱きしめて言った
ニューズウィーク日本版 / 2016年3月25日 18時40分
以来、私は毎月シカゴに通うようになった。試合会場までジョーダンの車に同乗し、ロッカールームまで並んで歩くことが試合前の「儀式」になった。
理由はともかく、ジョーダンは心から私を気に入ってくれていたようだ。インタビューを断られたことはない。必ず10分ほど時間をつくってくれた。
次のジョーダンは現れない
97年9月のインタビューは、ニューヨークのセントリージス・ホテルで行った。ジョーダンはいつものように力強く私を抱き締め、「再会できてうれしい」と言った。ナイキから来た代理人と、ジャッキーとは別の秘書も同席した。
このときニューズウィークは、ジョーダンの少年時代など他のメディアに報じられていない部分を誌面化したいと考えていた。バスケットボール以外の話を聞くのは初めてだったので、私は少し緊張していた。だがジョーダンはいつもどおり落ち着き、気配りを忘れず、よどみなく答えていった。思春期のころの話や、よく聴く音楽の話も飛び出した。
少年時代の写真を借りたいと頼むと、後日、エージェントから焼き増しではなくオリジナルが送られてきた。小学1年生のジョーダン、リトルリーグ時代のジョーダン......。
これまで多くのアスリートにインタビューをしてきたが、ジョーダンは最も人当たりがよく、洗練されたスーパースターの一人といえる。彼は世の中にとって自分がどのような存在であるかをよく理解していた。ファンを満足させることが自分の義務だと認識し、笑顔で務めを果たした。
もちろん欠点もあるが、ジョーダンのようなスターはもう現れないだろう。
[筆者]
アリソン・サミュエルズ Allison Samuels
96年よりロサンゼルス支局に勤務。黒人社会の世代間ギャップに迫った本誌記事(協同執筆)で97年に黒人ジャーナリスト協会賞を受賞
※この記者によるインタビュー記事はこちら:【再録】マイケル・ジョーダンの思春期、ビジネス、音楽趣味......
《「ニューズウィーク日本版」最新号とバックナンバーはこちら》
《「ニューズウィーク日本版 創刊30周年 ウェブ特別企画」の記事一覧》
[2006.2. 1号掲載]
アリソン・サミュエルズ(スポーツ、エンターテインメント担当)
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
メッシが引退後に転向するかもしれないスポーツとは?
ゲキサカ / 2024年11月16日 23時18分
-
クインシー・ジョーンズという功績 音楽とともに生きたその人生
Rolling Stone Japan / 2024年11月5日 12時15分
-
【再掲】「90年代NBAにすごい刺激を受けていた」18歳の神童・河村勇輝インタビュー(前編)
NBA Rakuten / 2024年10月31日 17時27分
-
レイラ・ハサウェイが語る、黒人文化の誇りと驚異的なボーカル表現の秘密
Rolling Stone Japan / 2024年10月28日 17時30分
-
ヒート本拠地前に設置されたドウェイン・ウェイドの銅像がお披露目
NBA Rakuten / 2024年10月28日 11時6分
ランキング
-
1政府が政労使会議開催、石破首相「今年の勢いで大幅な賃上げを」
ロイター / 2024年11月26日 13時46分
-
2米海軍哨戒機が台湾海峡飛行、中国軍は「大げさな宣伝」と反発
ロイター / 2024年11月26日 18時33分
-
3【速報】韓国外務省が「日本が見せた態度」への遺憾を日本大使館に伝える 「佐渡島の金山」の追悼式に不参加
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 15時4分
-
4トランプ2.0、強気の「MAGA」が逆目に出る時
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月26日 14時0分
-
5電動キックボードに4人乗りも…車との衝突など事故の件数は6年間で20倍に 韓国で規制強化
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 18時32分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください