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【再録】J・K・ローリングはシャイで気さくでセクシーだった

ニューズウィーク日本版 / 2016年3月28日 17時39分

 幼い娘の写真を盗み撮りしようと家の前に張り込んだり、別れた夫を捜し出して取材したり。ローリングはただインタビューが苦手で、私生活を語ることはもっと苦手なだけなのに、メディアは寄ってたかって彼女をいじめた。

JFKの弟ロバートに夢中

 皮肉なことに、質問攻めにせずに黙って話を聞けば、ローリングは自分から話してくれる。部屋で1時間ほど話し、写真撮影のために会議室に場所を移し、その後ランチに下りて、食後のコーヒーを飲むうちに、彼女はようやく告白してくれた。ロバート・ケネディの熱烈なファンだったことを!

 ゴシップのネタになるような話ではない。JFKの弟ロバートが亡くなって、この時点ですでに32年たっていた。それでも、ハリーやホグワーツの生みの親がケネディに夢中だったと知って、私は驚きのあまり二の句がつげなかった。ローリングはケネディの墓参りまでしたという。

 インタビュー中に出てきたゴシップ風の裏話は、せいぜいこの程度。強いて言えば、あとはローリングが運転免許をもっていないことくらいなものだった。

 翌日、私はダートマスの卒業式に列席し、彼女が学位を授与されるのを見守った。参列者のなかには若い読者はそれほどいなかったようだ。ローリングには大きな拍手が送られたが、とりたてて騒がれることはなかった。

 だが、彼女の次の人物の名前が呼ばれると、どよめきが起きた。伝説的な大リーガー、ハンク・アーロンである。私はしまったと思った。アーロンも名誉学位を受けると知っていたら、ローリングに頼んでサインをもらったのに!

[筆者]
マルコム・ジョーンズ Malcolm Jones
書評のほか、アートも担当。01年には村上春樹に『アンダーグラウンド』についてインタビューしている。共著に児童書『ジャンプ!』がある

※この記者によるインタビュー記事はこちら:【再録】J・K・ローリング「ハリー・ポッター」を本音で語る

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[2006.2. 1号掲載]
マルコム・ジョーンズ(書評担当チーフ)


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