パナマ文書はどうやって世に出たのか
ニューズウィーク日本版 / 2016年4月6日 19時46分
次に、ICIJのデベロパーたちがリーク文書を検索するサーチエンジンと世界の報道機関がアクセスできるURLを作った。サイトには報道機関の記者たちがリアルタイムでチャットできる仕組みも作られていた。記者同士がワシントン、ミュンヘン、ロンドン、ヨハネスバーグなどに集い、情報を交換もした。
ICIJによると、リーク文書をそのまま公表する予定はないという。ジャーナリストたちが責任を持って記事化するよう、望んでいるからだ。
情報源を守るためにHDも破壊
リーク者を守るため、南ドイツ新聞のオベルマイヤーはリーク者との連絡用に使った電話やラップトップのハードドライブを破壊した。「念には念を入れたかった」。今でもリーク者が誰であるかは知らない状態だ。
ワイヤードはメガリークの新たな時代が始まっている、という。
ニーマン・ラボの記事によると、受け取った情報の分析は南ドイツ新聞ばかりではなく、フランスのルモンド紙、アルゼンチンのラ・ナシオン紙、スイスのゾンタ―グツァイトゥング紙、英国のガーディアンやBBCなどが協力して行った。プロジェクトにかかわった記者は約400人。世界76か国の100以上のメディア組織が協力したという。
日本では共同通信と朝日新聞がこのプロジェクトに参加した。
さらに詳しく知りたい方は「マッシャブル」の記事(英語)もご参考に。
[執筆者]
小林恭子(在英ジャーナリスト)
英国、欧州のメディア状況、社会・経済・政治事情を各種媒体に寄稿中。新刊『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)、『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス(新書)』(共著、洋泉社)
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
小林恭子(在英ジャーナリスト)
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