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一文無しも経験したから言える「起業=投資論」

ニューズウィーク日本版 / 2016年4月15日 16時55分



 ところで、投資と言うと、株、債券、不動産の3つが主だったものとして紹介されることが多いのですが、これら以外にも「代替投資」と呼ばれるものがあり、非上場株やデリバティブ系商品が該当します。

 これらの投資対象がある中で、起業家が行っているのは、非上場株式(自社)への投資だと考えられます。要するに、ポートフォリオの中で、自社の非上場株式を対象として資産運用をしているということなのです。ところが、こうした認識を持っている起業家はあまり多くありません。

 起業家がポートフォリオを組む際は、すでにリスクの高い非上場株式に投資をしているのだという事実を忘れてはいけません。これを忘れると、銀行からの安易な借り入れによって不動産を所有するなどの行為に走り、自分のバランスシートを悪化させてしまいます。会社の財務分析だけでなく、個人のバランスシートも戦略的に考えておくことで、ダウンサイドリスクを軽減することができるかもしれません。

 国内の非上場株を所有しているというリスクを少しでも軽減させたいのであれば、海外資産への投資や、ドル建ての現金を持っておくことも考えるべきです。

 起業というのは非上場株式投資であるという認識は、もっと広く共有されていいと思います。

※シリーズ第1回:はったり営業もしていた若き起業家の「失敗論」
※シリーズ第2回:20代で資産10億、「アイデア不要論」を語る


『15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと』
 正田 圭 著
 CCCメディアハウス

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