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ISISが3500人のNY「市民殺害リスト」をアプリで公開

ニューズウィーク日本版 / 2016年5月11日 19時30分

脅迫リストを元にテロが行われれば恐怖が拡散する

 殺害リストを回覧するという戦略を始めたのは、名の知れたISISのイギリス人ハッカー、ジュナイド・フセインだとされている。フセインは2015年8月に、米軍主導の多国籍軍による空爆で死亡した。

 また、外国にいる支持者に呼び掛けて、それぞれの国で個別にテロを行えと仕向ける戦略を始めたのは、ISISで対外戦略を担う要職にあり、報道官でもあるアブ・ムハンマド・アルアドナニだ。アルアドナニは2014年9月、肉声による声明を出し、こう呼び掛けている。「不信心者のアメリカ人とヨーロッパ人を殺せ。ヨーロッパ人では、特にフランス人、オーストラリア人、カナダ人......方法は何でも構わない」

【参考記事】ISISがフェイスブックのザッカーバーグに報復宣言

 安全保障の専門家で、クロノス・アドバイザリーの共同創設者であるマイケル・スミスによれば、ツイッターやウェブサイトのハッキングといった低レベルのサイバー攻撃よりも、オンラインで支持者に働き掛ける行為のほうがよほど危険だ。ISISはこうした殺害リストを、ツイッターやテレグラムを使ってどんどん拡散・宣伝している。

「これにより世界の潜在的な支持者に向けて重要な合図を送っている。自分の知識や能力を使ってテロを行うことが、支持表明をすることにつながる、というメッセージだ」と、スミスは言う。「(ISIS支持者が)脅迫リストを入手し、その情報を元に標的を決めるようになれば恐怖は一気に広まるだろう」

 FBIは本誌の取材に対し、特定の脅迫に関してコメントはしないと書面で回答した。だが今回のリストに載った人たちを訪れて脅迫について知らせたことは認め、一般的な対応だと述べている。

ジャック・ムーア


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