動画アプリ「ペリスコープ」で飛び込み自殺中継、仏19歳女性 ── 後を絶たない「衝撃」投稿
ニューズウィーク日本版 / 2016年5月12日 19時0分
フランス・パリ近郊の駅で5月10日、19歳の女性が列車に飛び込んで自殺した。この女性は、動画配信アプリ「Periscope」を使い、自らの自殺を生中継していた。また彼女が自殺前、テキストメッセージで「元恋人にレイプされた」と知人に伝えていたことから、仏当局は11日に捜査を開始したと、米Newsweekなどが報じている。
女性は自殺前の配信で、「これから起きることは非常にショッキングです」「騒がれるためにやるのではなく、メッセージを送るためにやります」とほのめかした。
New York Timesの記事によると、動画は途中で暗転して無音になり、約5分後に緊急隊員が「犠牲者が列車の下にいる、動かさないと」と話す声が聞こえ、列車が数秒映った後に切れているという。
Newsweekが引用した仏地元紙Metroの報道によると、約1000人のPeriscopeユーザーがこの自殺を目撃したという(記事中に詳しい情報はないが、Periscopeのライブ配信ではその瞬間が実際に中継され、誰かが動画を転載する際に5分間の部分を消した可能性がある)。
2015年3月に提供が始まったPeriscope(親会社はTwitter)では過去にも、衝撃的な映像や問題映像がライブ配信され、物議をかもしてきた。BBCの記事では、十代の女性がレイプされている様子を中継して起訴されたオハイオ州の女性、酩酊した状態での運転を自ら配信して逮捕されたフロリダ州の女性、収監された独房から寄付を募る動画を配信した殺人犯、トラックに侵入してアイスクリームを盗む一部始終を中継して逮捕されたユタ州の16歳少年2名の例が挙がっている。
日本でも、品川区の女子中学生2人が飛び込み自殺した痛ましい出来事が起きたばかりだ。若くして自ら命を絶った彼女たちの冥福を祈りたい。
また、インターネットやスマートフォン、アプリなどの新しいツールが、そうした悲劇をいたずらに拡散したり、不適切な行為を面白がってさらしたりするのに使われるのではなく、自殺や事件を未然に防ぐ助けになるよう活用されることを切に願う。
高森郁哉
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