女子高生AI「りんな」より多才な人工知能が中国で生まれたワケ
ニューズウィーク日本版 / 2016年5月24日 19時4分
個人的に強い驚きを受けたのが、ウィーチャットを展開するテンセント社の銀行「WeBank」の融資サービスだ。ウィーチャットの書き込み記録をビッグデータとして活用することで、個々人の与信枠を設定しているという。アメリカにはクレジットカードの利用履歴をもとに個人の信用を査定するクレジットランクというシステムがあるが、中国ではチャット履歴をもとに信用を査定する、いわば"チャットランク"が存在しているというわけだ。他にも、アリババや京東商城はネットショッピング履歴をもとに個人の信用を査定するシステムの開発に取り組んでいる。
これらの分野における中国を表すのにふさわしいのが、「一周遅れの先頭ランナー」という言葉だろう。先進国に追いつくことを目標にするのではなく、世界最先端を目指そうとした結果、周回遅れだったはずがトップランナーになっている。
[筆者]
高口康太
ジャーナリスト、翻訳家。1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。独自の切り口から中国・新興国を論じるニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)。
高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)
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