選挙戦最大のピンチに追い込まれたトランプ - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
ニューズウィーク日本版 / 2016年6月16日 17時50分
これと前後して、共和党のラリー・ホーガン知事(メリーランド州)が「自分はトランプには投票しない」と言明して、静かに衝撃が広がりました。特に動揺が激しいのは11月の総選挙で当落線上にいる共和党議員および候補で、このままでは「トランプに引きずられて落選してしまう」という危機感を募らせていると報道されています。
さらに、7月にオハイオ州クリーブランドで開催される共和党大会では、あらためて「その場で別の候補にスイッチする」作戦が、今度という今度はかなり堂々と語られ始めています。要するに、大統領候補の指名投票において「全面的な造反」を起こし、過去のものとなった「予備選結果」について「緊急避難的に棚上げ」してしまう「ルール改正」が模索されているのです。
いずれにしても、多くのメディアが共通して指摘しているのですが、今回のフロリダの事件は、トランプにとって、「現実の事件に対処する初めてのレッスン」でした。そのレッスンにトランプは「落第した」という評価が、コンセンサスになりつつあります。
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