連日の大規模テロ、ISISの戦略に変化
ニューズウィーク日本版 / 2016年7月5日 16時57分
米政府はしばしば、イラクとシリアでのISISの支配地域は縮小していると強調する。だがその代わりにISISは世界の他地域へ拡大している。これまでのところ、ISISとのつながりを主張する戦闘員たちによる攻撃は、アメリカやヨーロッパ、クウェート、リビア、アフガニスタン、ナイジェリア、チュニジアでも起きている。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の教授で『ISIS: A History』著者であるファワズ・ゲルゲスは、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)に対し、ISISはイラクとシリアでの敗北の借りを返そうとしており、海外でのテロ攻撃は強まる一方だろう、と述べている。
「今後12カ月は、この1年と同じぐらいかそれ以上に残忍な事件が起きると思う。ISISはイラクとシリアで劣勢に立たされ、よそで挽回しようとしているからだ」
米議会も、ISISの能力を懸念する。各国と協力してISISの避難場所を潰しているにも関わらず、ISISは反撃する可能性があるというのだ。
米下院情報特別委員会の有力メンバーであるアダム・B・シフ下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は7月3日、CBSの報道番組「フェイス・ザ・ネイション」で、「ISISは支配地域をかなり失っているが、それと同時に、その存在感を地球規模で拡大している」と語った。
米国土安全保障省のネッド・プライス報道官は、バグダッドのテロの後の会見で次のように語った。ISISと戦うイラク治安部隊の支援を強化して支配地域奪還を図るとともに、ISISのテロリスト・ネットワークとその指導者を根絶やしにする、と。
From Foreign Policy Magazine
デービッド・フランシス
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