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英国・メイ内相、首相就任へ:「もう辞めないで!」

ニューズウィーク日本版 / 2016年7月12日 16時30分

 いいえ、データを見ればそんなことはありません。女性首相を輩出しているとはいえ、保守党の女性議員は全体の20%にすぎません。労働党は44%です。党首候補でジェンダーのバランスを取ろうとしているのは、労働党とみどりの党であり、保守党ではそんなことはありません。(中略)

 では、ほんの一握りのこれらの保守党の女性たちは、あらゆる苦難を乗り越え、政治制度に女性を受け入れさせるために戦ってきたのでしょうか? いいえ。彼女たちは、保守党に相応しいリーダーになるために、女性差別的な政策を支持するポジションを含め、前任の男性たちのスタイルをそっくりそのまま真似てきたのです。
出典:Guardian:"Don't confuse the Conservatives' embrace of female leaders with feminism" by Eve Livingston

テリーザ・メイが穏健派?

 テリーザ・メイはEU離脱投票では残留派に回ったので、「分裂した英国を癒す穏健派首相になる」などと言われているが、これまでの彼女を考えるとこの報道は違和感がありすぎる。

 ほんの2カ月前、5月の統一地方選の前にみどりの党が使っていたプロモ映像があり、それは大政党の指導者や大臣たちを5歳の子供たちに演じさせたコメディだった。



 どこにでも三輪車で入っていく傍若無人なボリス・ジョンソンや、いつもいじめられている労働党首ジェレミー・コービンなど、それは政治家たちの特徴をデフォルメしたもので、内相のメイも登場した。メイを演じた女児は、移民に見立てたぬいぐるみを椅子に座らせて、一人ずつに質問し、「あなたは看護師? 稼ぎが足りないのよ、出ていきなさーい!」と言って一体ずつ移民人形を教室の外に放り出していた。メイは難民問題が深刻化した時に、まるで極右のようなスピーチを行って中道寄りの保守党員たちをドン引きさせた人でもある。

 メイは多くのシングルマザーを厳しい生活苦に追い込んだ緊縮財政を支持してきた人でもあり、ヤールズ・ウッドの移民拘留センターで蔓延していた女性たちへの虐待を長年隠蔽してきたことでスキャンダルにもなった。フェミニズムの前進は言葉ではなく行為で示されるものだというサフラジェットのポリシーに従えば、彼女はまったくフェミニストではない。

 メイと同じく1997年に女性国会議員になり、女性同士でお互いの影の大臣を務めてきた因縁の仲である労働党のイヴェット・クーパーはこう書いている。

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