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次期英首相テリーザ・メイは「冷たい女」?

ニューズウィーク日本版 / 2016年7月12日 18時15分

【参考記事】英EU離脱の教訓:経済政策はすべての層のために機能しなければ爆弾に引火する

■LGBT(性的少数者)の権利に対する立場は時代とともに変化

 1997年に国会議員になったメイだが、当初はLGBTの権利の擁護者でも何でもなく、権利拡大の法案には反対票を投じてきた。同性愛者と異性愛者の性交同意年齢を平等に統一する措置や、同性婚カップルが養子を取ることを認める法案にも反対の立場だった。



 ところが次第に議会内でLGBTを取り巻く問題に熱心になり、2013年には最上級の保守党議員の一人として、同性婚を認める法律の制定に尽力するほどになった。また、保守党の議長をしていた2002年、当時のトニー・ブレア首相が「ニュー・レーバー(新生労働党)」というスローガンを掲げて勢いがあったのに対して、保守党は一部の国民から「意地の悪い党」だと揶揄されていると発言し話題をさらったのも彼女だ。

■遅咲きのキャリア

 2001年、メイはひどいジョークのネタにされていた。当時、影の内閣で誰を教育相に任命するかについて、ある閣僚がこう言ったという。「閣僚経験もなく、教育のことも知らず、大した経歴もないが、テリーザ・メイはどうだろう」。これは、彼女がすでに2年間、保守党の教育担当の報道官を務めていたにも関わらず全く名前が知られていなかったのを皮肉ったものだ。

 メイの政治家としての初期のキャリアはそれほど目立たなかったため、周囲の多くは彼女が身分不相応に早く出世しすぎていると感じていたほど。後年メイが政治家として最も難しい役職の一つとされるイギリスの内務相で歴代最長の任期を務めたことで、世間の彼女に対する見方は以前とはガラリと変わった。

■座を盛り上げるタイプではなさそう

 キャメロンが率いた連立内閣で閣僚を務めた自由民主党のデイビッド・ロウズは、当時の内閣を振り返った著書の中で、元副首相のニック・クレッグはメイを「冷たい女」、同じく元閣僚のエリック・ピックルスは「マーシャム・ストリート(保守党の本部に近い通り)の複雑怪奇な美女」と呼んでいたと書いた。最近では、ケン・クラーク元財務相がメイを「ひどく難しい女」だと言ったのをテレビカメラに撮られていた。

 私の目にはこれらすべてがあたかも、強力な女性に恐れをなした男たちの不快な心情を表した言動のように映る。クレッグやクラークの発言の真意が何であろうと、メイはしっかりと目標を定め、固い決意で臨むやり手として知られている。小話にうつつを抜かす暇はないはずだ。


ジョシュ・ロウ


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