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日中首脳会談と鳩山元首相の中国支持表明――米元国防長官も

ニューズウィーク日本版 / 2016年7月18日 8時0分

 AIIBで利用するだけでなく、 南シナ海問題に関する国際司法判決における中国の全面敗訴という大打撃を緩和させるために利用している、中国のその魂胆が分からないのだろうか?



 それが日本国あるいは日本国民にもたらす計り知れない損害を、鳩山氏は考えたことがないのだろうか?

 日本の政治に関して言及したくはないが、このような人物を党首とした党(民主党)を前身とした民進党に対する国民の信頼も揺らぎ、民進党を含めた野党連合が推薦する都知事候補に対しても、将来の姿と危機感を浮き立たせるのではないのか?

 中国共産党が日中戦争時代に、実は日本軍と共謀して成長し、中華民族(国民党軍)を日本に売り渡して政権を取った党であることは、拙著『毛沢東 日本軍と共謀した男』で詳述した。鳩山氏は、この客観的事実を、どう受け止めるつもりだろう。

 日本国民の一人として、鳩山氏の言動を憂う。

コーエン米元国防長官が中国支持を表明!?

 さらに奇怪なのは、コーエン前アメリカ国防長官(クリントン政権時代)が中国支持を表明していることだ。

 7月14日、中央テレビ局CCTV4(中文国際)の記者は、非常に流暢な英語でコーエン氏を取材している。

 このニュースは繰り返し報道され、香港の「香港鳳凰BS」も同じタイトルでコーエン氏の発言を繰り返し報道した。

 コーエン氏は基本的に鳩山氏と同じことを述べ、さらに「アメリカが国連海洋法条約に加盟していないのは、アメリカのまちがいである」とまで述べている。その言葉を引き出したとして、どの放送も前置きに、コーエン氏のこの言葉を述べ、中国の正当性を強調した。

ASEM議長声明に盛り込めなかった南シナ海判決問題

 このような状況だから、中国のアセアン諸国への切り崩しとヨーロッパ諸国への切り崩しは激しく、ついに議長声明は南シナ海に関する国際司法の判決遵守を盛り込むことができなかった。判決だけでなく、「国連海洋法条約」そのものを無力化し、日本とアメリカのかつての要人を味方につけて、中国の必死の抵抗が続く。

 一連の出来事の中で、筆者が最も衝撃を受けたのは鳩山氏の言動である。

 もちろん日本には言動の自由がある。アメリカもそうだろう。

 しかし、一国の首相を務めたことのある人物は、それなりの責任を日本国民に対して持つべきではないのか。これにより、現在の民進党および野党4党連合に対する危機感を日本国民、特に東京都民が抱くとは思わないのだろうか?

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