異例尽くしの共和党大会で見えた、「トランプ現象」の終焉
ニューズウィーク日本版 / 2016年7月22日 15時20分
一方で非常に気になったのは、21日のニューヨーク・タイムズに掲載されたトランプの単独インタビューだ。そこでは「バルト三国へロシアが侵攻」したケースでの米軍の行動を問われ、「見返りがなければ行動しない」と述べ、NATOの集団的自衛権を否定するという爆弾発言をしている。同じインタビューで、権力集中を強めるトルコのエルドアン政権への無条件での支持を打ち出し、これも極めて一方的な印象を与えている。
結局、党大会では、代議員の過半数が造反して「第三の候補」が出てくるといったドラマは起こらず、トランプが正式に候補に指名され、トランプがそれを受諾したことも間違いない。つまり党大会としては、最悪の事態は回避された。
だが政界の一部からは、クルーズの「爆弾演説」は2020年大統領選への前哨戦がスタートしたことを意味している、という声も聞かれる。11月の本選はヒラリーが勝ってもいいから、とにかく共和党の「再建」へ動こうということだろう。もしかしたら、風船と紙吹雪が舞ったこの21日の党大会の幕切れが、「トランプ現象の終わりの始まり」になるのかもしれない。
<ニューストピックス:【2016米大統領選】最新現地リポート>
≪筆者・冷泉彰彦氏の連載コラム「プリンストン発 日本/アメリカ新時代」≫
冷泉彰彦(在米ジャーナリスト)
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