1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

中国がいま尖閣を狙う、もう一つの理由

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月10日 20時15分

 中国にとっては、アメリカ政府がニクソン政権以来、「尖閣の領有権に関してはどちらの側にも立たない」と宣言していることが嬉しくてならない。つまり「アメリカは、尖閣の領有権が日本にあるとは言っていない」と解釈することができるので、中国はそのように主張し続けているからだ。

 そのオバマ大統領が広島を訪問したことは、中国にとっては「日本が被害者の国であった」ことにつながり、今般の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典の知事のスピーチでも、そのオバマ大統領の広島演説の一部が引用されたことが、日本肯定につながると、気が気ではないのである。

 日本を批難し続けていないと、一党支配が維持できないところまで来ているからだ。

 日本は予め然るべき「手段」と「措置」を準備すべく、効果的な戦略を練っておいた方がいいが、それ以上に「毛沢東が日本軍と共謀していた事実」を中国につきつけることが、何よりも効果的である。

 これは歴然たる事実で、中国は全面否定できないからだ。

 そして中国人民の多くがこの事実を知ったときに、中国共産党政権は必ず崩壊するからである。

[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)



※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

≪この筆者の記事一覧はこちら≫

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください