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中国を捨てて、いざ「イスラム国」へ

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月18日 18時0分



 一連のテロについて、中国政府はイスラム主義者やETIMの関与を主張している。だが情報統制やネット検閲が厳しいために、現地で実際にどのようなことが起こっているのかを確かめるのは難しい。

 また、実際に何人のウイグル人が中国を去ってISIS支配地域に渡ったのかを検証するのも困難だ。そもそも国内のウイグル人は移動を制限されており、地域の行政当局が住民のパスポートを没収している。それでも、反体制派やイスラム教徒への当局の締め付けが強化された過去2年間に、相当数のウイグル人が中国を脱出したと考えられる。

 一昨年以来、何千人ものウイグル人がトルコに入国しており、その多くは東南アジアの密航斡旋ルートを利用したとされる。

 昨年、トルコのイスタンブールで米外交専門誌フォーリン・ポリシーの取材に応じた世界ウイグル会議(在外ウイグル人組織を統括する運動組織で、中国人による新疆支配に反対している)のセイット・トムトルコ副総裁によれば、中国にいるウイグル人の一部は何が何でも脱出したいと考え、万策尽きて過激派の誘いに乗るケースもあるという。

 トルコにいるウイグル人難民の1人は昨年、ロイター通信の取材にこう語っている。「私たちがイスラム教徒として生きるのを、中国政府は許さない。礼拝を行うこともできず、コーランは一家に1冊だけ。子供にイスラムを教えることも禁止。自分の全人格を否定されて、それでもそんな場所に住めというのか?」

From Foreign Policy Magazine

[2016.8. 9号掲載]
べサニー・アレン・イブラヒミアン


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