プライベートジェットで大学訪問すると合格?──米名門校の入り方
ニューズウィーク日本版 / 2016年9月6日 18時15分
<アメリカで2年前に始まったビジネスジェット機を使った大学訪問ツアーが高所得層に大人気。効率よく全米の大学が回れるだけではない。1年の学費にも相当する参加費をポンと払えるお金持ちの証明として、近年拝金主義を強めるアメリカの名門大学への合格切符にもなる> (写真の文字は「プライベートジェットで大学を回る超リッチな10代とある」。裕福マジェランジェット社の動画より)
8月下旬のある朝、ロサンゼルス在住の元政治家が10代の息子を連れてビジネスジェット「ガルフストリームG200」に乗り込んだ。
上品なベージュで統一されたキャビンでは、革製ラウンジチェアの上に名門大学の垂れ幕が挨拶代わりに並べられ、陽気な雰囲気を醸し出している。ジョンズ・ホプキンス大学やコルビー大学、ダートマス大学など、アメリカで最も優秀なリベラルアーツカレッジをめぐる貸し切りツアーの始まりだ。
乗客の2人は、9日間で全米9つの大学を訪問する。空港と大学、ホテル間の送迎には運転手付きの車が待っているし、機内の調理室のバーには、ブラウニーやバニラアイス、ダイエットスプライトなどが常備されている。
高所得者のための大学訪問ツアー
小さなダイニングテーブルの上には、アイビーリーグ進学指導の専門家が書いた大学攻略ガイド。ダートマス大学のTシャツとベースボールキャップの間に挟まれたメモにはこう書いてあった。「お客様の記念となる今回のご旅行を、マジェランジェットがお手伝いできることを嬉しく思います」
高校の最上級生として進学先の大学を選ぶこうしたやり方がまかり通っていることが信じられないという人は、自分の銀行口座の残高がわずかであることを恨むしかない。ボストンを拠点とする会員制航空会社マジェランジェットが最近売り出した大学訪問のためのパッケージツアーは、アメリカの高所得層を対象に企画されたものだ。
【参考記事】米名門大学はアジア系を差別している
大学1年分の授業料より高額な大学訪問ツアーのメリットの1つは、全米の大学を訪問する時間と煩わしさを軽減できることだ。ビジネスジェットで飛んできたことで、自分は金持ちだというアピールもできる。これが昨今のアメリカの名門大学にはとても効く。
マジェランジェットは、効率的な旅行ルートの設定からキャンパスでのプライベートツアーの手配、陸路の交通手段の調整も行う。基本料金はジェット機の種類ごとに決められており、小型の7人乗り「ホーカー400XP」を利用する飛行時間10時間のツアーは5万2000ドルから。前述した超中型ガルフストリームG200の場合は、最大18人が着席可能で、同じツアー料金がおよそ10万ドルだ。
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