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Airbnbは、どのように人工知能を活用しているのか?

ニューズウィーク日本版 / 2016年9月13日 17時3分

 日本ではAirbnbの仕組みは「民泊」と呼ばれ、ネガティブな報道が多いようです。しかし、アメリカでは当たり前のように使われています。また、中国版Airbnbとも呼べる、Airbnbそっくりなサービスもあります。Airbnb自体の発展と、そのモデルが世界中に広がっていくことは間違いないでしょう。

【参考記事】Airbnbが家を建てた――日本の地域再生のために
【参考記事】「東京五輪まであと4年、「民泊」ルールはどうする?

 Airbnbは、一見すると部屋を提供するホストと、部屋を借りるゲストをマッチングするだけです。テクノロジーとは無縁の企業に思えます。しかし、実際はテクノロジーカンパニーであり、自社で開発した機械学習のソフトウェアライブラリのAerosolveをオープンソースしたり、社内のビッグデータ解析、人工知能の活用についての成果をブログやカンファレンスで公開しています。

 Airbnbがホストに提供しているものが、Pricing Tipsという宿泊需要の予測ツールです。設定した宿泊価格に対し、どのくらいの可能性で予約が入るかを1日ごとに表示されます。緑なら高い可能性で予約され、赤は値段が高いため予約が入る見込みが少ないことを示しています。



 ご存知のように、民泊に限らず宿泊施設の需要は季節やイベントの有無により大きく変動します。当然、需要の変動により、価格も変動します。Airbnbのホストは収益を高めるために、空室を出すことや安すぎる値段で部屋を貸すことは避けなければなりません。

 しかし、Airbnbを始めたばかりのホストにとって自分の部屋の相場を正しく判断することは大変難しいですし、自分が知らないようなイベントがあり、宿泊需要が急増していたり、実は季節によって需要が大きくが変動していたなんてことは、普通に暮らしていては分かりません。

 このツールはこのような課題を解決することを目的としています。Airbnbは公式ブログの中で、ツールが提示する価格の5%以内に設定することで、4倍の予約を取ることができるようになると述べています(5%以上価格差がある場合との比較)。

 Airbnbにとって、このような需給の予測は、ホストとゲスト(宿泊者)の両方にとって大きなメリットがあります。ホストは、適正な価格で効率的に部屋を運用することで、収益を高めることができ、ホストの増加、つまり部屋の増加につながります。価格の高い時期は、ホストも積極的に部屋を貸し出そうとするでしょう。また、ゲストにとっても、部屋が増えることは大きなメリットです。

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