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オルタナ右翼とゲーマーゲートと呼ばれる事件の関係

ニューズウィーク日本版 / 2016年9月21日 17時45分

 言い換えれば、ゲーマーゲート参加者は、元々最近のゲーム業界のあり方を巡って漠然とした不満があったわけだが、彼らはゲーマーゲートに参加することで、初めてラディカル・フェミニズムという具体的な「敵」とそれがもたらす「問題」を発見したのである。ラディカル・フェミニズムをメディアが結託して支持し、ポリティカル・コレクトネスを錦の御旗に掲げ、適当なことを言って自分たちの好きなゲームをおとしめ、ゲームにおける表現の自由を抑圧しようとしている。そうした「敵」に対抗するための手段、理論的支柱として、一部のゲーマーゲーターは、アイデンティタリアニズムのようなオルタナ右翼の思想を見いだしたのである。

 逆に言えば、思想としては数年前から存在していたが、ある程度以上の広がりのある支持層を持たなかったオルタナ右翼の思想は、ゲーマーゲートの中にその一つを得たのだった。また、ゲーマーゲートは、ソーシャル・メディアにおけるミームの拡散やオンライン・ハラスメントによって「敵」を右往左往させるという成功を収め、参加者にある種の成功体験を提供した。こうしたオンラインの情報戦で優位を握るノウハウは、オルタナ右翼、ひいてはトランプ陣営のメディア戦略にも受け継がれていると言えるのである。


※当記事は「八田真行さんのブログ」からの転載記事です。

八田真行(駿河台大学経済経営学部専任講師、GLOCOM客員研究員)


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