期待を遥かに超えるアクロバットな舞台、スーパー僧侶たちの『スートラ』初来日
ニューズウィーク日本版 / 2016年9月29日 16時7分
舞台を駆ける少年、シンクロするいくつもの身体、振りかざされる剣。それは厳かに、そしてどこまでも激しく繰り広げられる、驚愕の身体パフォーマンス。期待を遥かに超える興奮の舞台『スートラ』が、初来日公演です。出演するのは、19名の嵩山少林寺の現役僧侶たち。そして、主演・演出・振り付けは、演劇界のスーパースター、シディ・ラルビ・シェルカウイという、異色の組み合わせ。
超多忙な演出家ラルビが、実際に少林寺に2か月間滞在し、厳しい戒律に沿って修行を続ける現役の僧侶たちとともに、国や文化の違いを超えて作り上げたという前代未聞のパフォーマンスは、その異文化の芸術的融合が評価され各国の名だたる賞を受賞しています。
(参考記事:「第7回東京アンデパンダン展」が開催! 新しい才能に出合いに行きませんか?)
その舞台からは、西洋の目線を持ったベルギー人であるラルビが、少林寺の人たち、しいてはアジアに出会った喜びが力強く現れています。初めて目の当たりにする圧巻の少林拳は、彼が心惹かれた感動をまるで追体験するようで、我々も次第に心奪われていくこと間違いなし。
(参考記事:水との戦いの歴史を刻むシェルター、 「水屋・水塚--水防の知恵と住まい--展」開催中。)
ターナー賞も受賞する現代アート界の巨匠、アントニー・ゴームリーによる舞台セットは、人間と木箱というシンプリシティを極めた空間。常に少しずつ変化し続ける舞台が、躍動感溢れるパフォーマンスにみずみずしい感動を与えてくれるのです。
(参考記事:Vol.02 時を経ても淘汰されることのない、革新的なデザインを収録。)
幾度のロンドン凱旋公演も大成功をおさめ、NYリンカーンセンター、アヴィニヨン国際演劇祭、ベルリン国際演劇祭はじめ、既に世界60都市以上で上演され、ワールドツアーを継続する、目もくらむようなアクロバティックな公演、その興奮をぜひ目の当たりに!
©Hugo Glendinning
©Hugo Glendinning
※当記事は「Pen Online」からの転載記事です。
須賀美季 ※Pen Onlineより転載
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