シリア停戦崩壊、米ロ関係かつてない緊張へ
ニューズウィーク日本版 / 2016年10月4日 17時20分
【参考記事】地獄と化すアレッポで政府軍に抵抗する子供たち
そうした試みは失敗に終わった。ロシアとシリアは9月12日の停戦発効後も激しい空爆と迫撃砲による軍事作戦を繰り返し、19日には援助物資を運ぶ国連の車列を空爆した。ロシアやアサド政権軍は、停戦に応じるふりをして戦力を蓄えていたのではないかという見方もあり、今や、危機を政治的に解決する糸口がますます見えなくなった。
【参考記事】人道支援トラックに空爆、シリア和平の希望が潰える
反政府勢力が支配するアレッポ東部ではおよそ27万5000人の市民が暮らしており、うち10万人が子供と推定される。国際援助団体によると、アレッポでは先週だけで数百人が死亡した。2011年に内戦が始まって以来、外国に逃れて難民となったシリア人の数は数百万人にのぼる。
「軽い決断ではなかった」とカービーは言った。「アメリカは空爆を減らし、人道支援を実現し、シリアで活動するテロ組織を弱体化させることを目的としたロシアとの協力を惜しまないつもりだった」
From Foreign Policy Magazine
デービッド・フランシス
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