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オーストラリアの社会問題解決を目指すタクシーの取り組み

ニューズウィーク日本版 / 2016年10月7日 16時25分

「企業は、彼らの顧客が生きたい人生を生きる助けをすることに、目を向け始めている。ビジネスとソーシャルは全く別ものですが、しかし一方では、多くのソーシャルグループがビジネスを求め、また多くのビジネスが社会的影響を求めているのです。これこそ社会的革新だと、私は思います」(フレイザー氏)

【参考記事】「ホームレス」を生み出さない社会を目指して

調査対象者を招いたワークショップを開く大きな部屋がいくつかある。

25人のスタッフが働いているが、固定席は10席前後。執務エリアもアットホームな雰囲気のデザインになっている。

キッチンスペースは、簡単なミーティングスペースになることが多い。

赤ちゃんを連れて出社するスタッフ多数。



お手製の集中ブース。大きな部屋を区切るパーティションとしての役目も果たす。

(左上)市内にある歴史的建造物の一角をリノベーションしたオフィス。(右上)古い建物を改修しているため個室が分かれている。部屋をつなぐ廊下も作業スペースとして活用。(下)実施したプロジェクトはドキュメントにまとめられ、同じ課題に取り組む人たちのヒントとして役立てられる。

一番大きなワークショップスペース。訪問した際には、さまざまな小道具が無造作に置かれていた。

オフィスの中央にはキッチンや黒板などが集約され職員同士の情報が共有される。

タクシー最大のプロジェクト「Family by Family」

 オーストラリアには家庭の事情から児童保護施設に預けられる子供が多い。「Family by Family」のミッションはその予防だ。「Family by Family」はサポートを必要とする家族とサポートを提供できる家族をマッチングする。

 調査から「"うまくいっている"家族ほど他の家族の世話になっている」ことが明らかになったのである。事務手続きから家族との1対1の話し合い、マッチング作業に至るまで、サービスのプロトタイピングは8週間で終えた。

「全ての家族の立場になってアイデアを練る」(フレイザー氏)。特にマッチングにおいては、「『友人関係になりたい家族』同士を引き合わせる気配りが重要」だとか。

創業:2009年
従業員数:25人
http://tacsi.org.au

コンサルティング(ワークスタイル):自社
インテリア設計:自社

WORKSIGHT 08(2015.10)より

text: Yusuke Higashi
photo: Masahiro Sanbe

プロジェクトに携わった人たちの温かい雰囲気の写真が飾られ、来訪者の気持ちを和ませる。

ワークショップルームの1つ。窓から差し込む自然光、壁面の装飾や床のラグなど、どこか家庭的な雰囲気を感じる。

左がディレクターのクリス・ヴァンストーン氏。右がコ・デザイナーのマーガレット・フレイザー氏。

※当記事はWORKSIGHTの提供記事です





WORKSIGHT


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