トランプにここまで粘られるアメリカはバカの連合国
ニューズウィーク日本版 / 2016年10月11日 19時42分
(注:トランプの支持層は高卒以下の白人で、大学生や大卒者は含まれていない。したがって、トランプ支持者はおそらく、ジョンソンへ投票すると思われるこの大学生よりもさらに知識に乏しいだろう。)
11月8日に何が起ころうとも、現在の状況は、公民教育を緊急に再生しなければならないことを物語っている。現在および将来の有権者が、行政や歴史、地理、国際情勢、経済などに関する基本的な知識を獲得し、十分な情報に基づいて選択できるよう教育を施さなければならない。
公民教育に対する連邦政府の補助金は2011年に打ち切られた。2015年に「Every Student Succeeds Act(ESSA:全児童・ 生徒学業達成法)」が制定され、財政支援がいくらか回復したが、その額は年間わずか660万ドル。連邦政府がSTEM(科学・技術・工学・数学)教育の支援に充てている1億7000万ドルには遠く及ばない。数学や科学に精通した学生を養成することはたしかに重要だが、市民としての義務を果たせる若者の育成はさらに重要なはずだ。
扇動者の餌食
基礎的な知識の欠如は、民主主義の将来を危険にさらす。選挙制度は、異なる選択肢間の違いを区別する知的能力が有権者にあることが前提に成り立っている。それがあてはまらないとなれば、アメリカの民主主義はトランプかトランプのような扇動家の餌食になってしまう。それこそ、合衆国憲法の起草者たちが恐れたことだ。
公民教育を再生しなければ、アメリカは三権分立の三権が何かさえわからない人々に将来を託すことになる。最近の調査では、正しく答えられたのは3人に1人だ。この驚くべき無知も、ジムのトレーナーや他の多くの仕事をこなすうえでは障害にはならない。だが、投票所で賢明な選択をすることはできない。
このまま行けば、近い将来、バーニー・サンダースか、あろうことかドナルド・トランプが、大統領候補ではなく大統領になる日が来てしまう。
From Foreign Policy Magazine
マックス・ブーツ(米外交問題評議会のシニアフェロー、専門は国家安全保障)
この記事に関連するニュース
-
アングル:米民主党、ハリス氏指名なら歴史的な賭けに 人種・性差別に挑む
ロイター / 2024年7月22日 18時41分
-
「金持ちエリート政党」に変貌したアメリカ民主党 トランプ&サンダースが前面に出る絶望的状況
東洋経済オンライン / 2024年7月12日 14時0分
-
ハンガリーの強権首相オルバンを「模範」と崇めるトランプ主義者のトンデモ構想
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月9日 17時31分
-
討論会惨敗の米民主党がここから「仮病」で大統領選に勝つ方法
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月1日 17時23分
-
経済政策はトランプ氏、民主主義擁護はバイデン氏 有権者の支持割れる=調査
ロイター / 2024年6月26日 5時54分
ランキング
-
1米国初の女性・アジア系大統領を目指すハリス氏、手腕には厳しい評価も
産経ニュース / 2024年7月22日 19時11分
-
2バイデン氏の撤退決断、米主要紙が評価 「勇気ある選択」「米国の最良の利益」
産経ニュース / 2024年7月22日 19時34分
-
3北朝鮮エリートの脱北ラッシュ、なぜ外交官なのか…海外生活で「目覚めた」
KOREA WAVE / 2024年7月22日 16時30分
-
4バイデン氏大統領選からの“撤退表明” トランプ氏「いんちきジョーは最悪の大統領」とSNS投稿
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月22日 11時43分
-
5反捕鯨団体の創設者を拘束 妨害関連で日本引き渡しも
共同通信 / 2024年7月22日 22時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください