「トランプ大統領」を誰より危惧するイスラム教徒の不安
ニューズウィーク日本版 / 2016年11月8日 18時10分
【参考記事】トランプに熱狂する白人労働階級「ヒルビリー」の真実
テロの脅威からアメリカを守る救世主を自称するトランプは、事あるごとにイスラム教徒がアメリカの安全保障を脅かしているとやり玉に挙げた。アメリカにいるすべてのイスラム教徒にデータベースへの登録を義務付けるという主張は、多方面から批判を受けて撤回を余儀なくされた。だがイスラム教徒への監視を強化して、怪しい動きを察知すれば裏付けなくモスクを捜査させるという主張については撤回を拒んでいる。
「前例のない手法で対処しなくてはならない」と、去年の11月に米ヤフーニュースの取材に応じたトランプは言った。「戸惑う人も出てくるだろうが、今はだれもが安全を最優先にするべきだと感じているはずだ」
全米のモスクの関係者やムスリム団体の多くは、トランプが掲げた一連の反ムスリム政策を現実には実行しないとわずかな希望を抱く一方、彼は本気だと受け止めるしかないと感じる人々もいる。
「トランプは自分がやると言ったことを必ずやる」と、首都ワシントンのマスジド・ムハンマド・モスクでイマームを務めるタリブ・シャリーフは言った。「彼はイスラム教徒が市民権を獲得するのを難しくして、イスラム教徒が暮らす地域への監視も強めるだろう。そうしたトランプの政策を後押しする支持者の群衆は、彼なら実行に移してくれると期待を高めている」
アメリカの人口のなかのたった1%に過ぎないイスラム教徒にとって、理不尽で気が気でない大統領選がいよいよ幕を開ける。
(International Business Times)
ジェイソン・ル・ミエーレ
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