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日本人のニュースメディア接触、「非ソーシャル」で「受動的」

ニューズウィーク日本版 / 2016年11月22日 14時30分

 先にも述べたように、ソーシャルメディアをオンラインニュースとの出会いの場としているユーザーの割合が、日本は低い。香港(38%)、マレーシア(57%)、シンガポール(53%)、台湾(54%)に対して、日本は17%である。

図3 オンラインニュースと出会うチャンネル。


ニュース記事に参加する度合い、日本人が最も希薄

 ニュースメディアは昔のように提供者主導の一方向ではなくて、消費者(ユーザー)主導の双方向性メディアとなっている。今やユーザーがニュースメディアに参加するのが当たり前になっているのだ。そこで、ニュース記事にどのような形で参加しているかを、アンケートしている。参加する場としては、ニュースブランドのWebサイトよりも、ソーシャルメディアが中心となっている。図4では、ソーシャルメディアでニュース記事に参加している回答者の割合を、項目別に示している。

 ニュース記事にコメントする(Comment on a news story in a social network)割合は、香港(24%)、マレーシア(22%)、シンガポール(13%)、台湾(26%)に対して、日本は6%であった。

 次のニュース記事をシェアする(Share a news story via social network)割合は、香港(28%)、マレーシア(32%)、シンガポール(27%)、台湾(34%)に対して、日本は9%。

 またニュースに関連する写真や動画を投稿したり送る(Post or send a news related picture or video to a social network)割合は、香港(12%)、マレーシア(16%)、シンガポール(11%)、台湾(15%)に対して、日本はわずか3%であった。

図4 ニュース記事に参加する。

 このように、アジア4国のオンラインニュース・ユーザーは、ニュース記事への参加意識が米国並みに高い。一方で日本人の多くは、アグリゲーター・ニュースサイトが一方向で提供してくれるニュースを受け取るのに満足し、ニュース記事に能動的に参加することをあまりは好まないようだ。

 ロイターは先の26か国を対象にした調査のレポートで、ニュース接触に関して日本の消費者が26カ国中最も受動的で、最も能動的でない国民としてまとめていた。今回は、アジア4国に日本、米国、英国、韓国、オーストラリアを加えた9国を対象に、同じようにニュースに対して能動的な行動をとるオーディエンスの割合を比較した。それをグラフ化したのが図5である。ニュースの参加者を、最も能動的なProactive、その次に能動的なReactive、そして受動的なPassiveとの分けて、国別に内訳を示している。ここでもニュースに対して受動的な行動をとるユーザーの割合が、日本が9国の中で最も高いと結論付けている
 
図5 ニュースメディアへの参加態度。能動的か受動的か

 ニュース接触においても、受動的で保守的で非ソーシャルであるのは、国民性に起因しているだろう。良し悪しは別にして、グローバルに見て日本人のメディア接触が、多くの国とちょっと違うのだということを、認識しておいたほうがよさそう。

◇参考
・NEW REPORT EXAMINES ONLINE NEWS HABITS ACROSS ASIA-PACIFIC REGION(Reuters Institute for the Study of Journalism)
・日本人のニュースメディア接触、先進国の中で際立つ特異性、ロイター調査が浮き彫りに(メディア・パブ)


※この記事は、メディア・パブからの転載です。

田中善一郎(メディア・パブ)


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