【写真特集】教育も未来も奪われて働くシリア難民の子供たち
ニューズウィーク日本版 / 2017年1月5日 17時50分
(左から)ムハメッド・ヌル(11)、オメール・ヌル(12)、アブドゥルカディール・ヌル(14)
アレッポを2年前に脱出し、トルコ南部のキリスで暮らす3人の兄弟は、父が始めた家具店を手伝っている。子供たちを学校に通わせず働かせることについて、父は「ほかにどうしようもない。生きるためだ」と言う。ここにはトルコ人客の知り合いはいても、友達は1人もいない。トルコ人からは、なぜ国のために戦わないのかといつも聞かれるという。子供たちの将来について、父はこう語る。「私は何も望んでいない。何のために希望を持つんだ?」
アメール・アンドルーン(15)、アマール・アンドルーン(13)
兄弟2人は毎朝5時に起きてプラスチック容器を回収し、1日に5~6ユーロを稼いでいる。彼らの父親は言う。「私には仕事がないが、子供たちがゴミ集めをしてくれる。人生で今ほど自分を恥じたことはない」
ムハメッド(14、左)、ハリール(13、右)
2年前にアレッポからガズィアンテプに逃れてきた2人は、自動車修理工場で週6日、60時間働く。トルコ人のオーナーは子供3人を含む7人のシリア人を雇っている。シリア人だけを雇用する理由を問われると、オーナーは「彼らの仕事ぶりがかなりいいからだ」と答えた。工場では子供にしかできない作業もあるのだという。「シリア人たちがここに来るまでは、子供の働き手はなかなか見つからなかった」
撮影:エミン・オズメン
トルコ生まれ。大学で物理学を学んだ後、イスタンブールとオーストリアの大学で写真で学位を取得。トルコのマイクロクレジット、ソマリアの干ばつを取材・撮影した著書がある。シリア、イラクなどの紛争で難民になった人々を追った多くの作品は、トルコ国内をはじめ欧米でも高い評価を得ている
Photographs by Emin Özmen-Agence Le Journal
<本誌2016年8月2日号掲載>
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Photographs by EMIN OZMEN
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