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iPhoneはなぜ割れるのか?<iPhone 10周年>

ニューズウィーク日本版 / 2017年1月10日 20時32分

【参考記事】謝らないアップルの危険性

 それに比べると一昔前の携帯電話ははるかに頑丈だった。レストランまでの道案内こそしてくれないが、衝撃には強かった。核爆発があってもゴキブリと折り畳み式携帯電話だけは生き残ると言われたほどだ。想像してほしい。生命が死に絶え、放射線に汚染された不毛の地になっても、ノキア製の携帯電話の着信メロディが鳴り響いている光景を。



 何らかの陰謀があったのかもしれない。iPhoneが耐久性に欠けていることは業界にとって確かに都合がよい。故障しやすい製品を販売しておいて、定期的に新製品を発売し続ければ、ユーザーに向けて常に新しく、性能を向上させた新機種を提供できる。

 アップルは近年、デザインを進化させて「世界中の全てのスマートフォンに史上最も強いガラスを採用した」と喧伝してきたが、画面が割れやすいのは変わらない。一方で、これまでのイヤホンをなくしてブルートゥースを使った無線イヤホンに仕様を変更してしまった。コード付きイヤホンや、たまにiPhoneの落下を防いでくれる最後の命綱だったのに。

【参考記事】絶好調アップルを支える中国の搾取工場


 今後も画面が割れるのを横目に闇で新たな修理方法が生み出され、中国などの工場では買い替えを見越して低賃金の劣悪な労働条件のもと新しいiPhoneが組み立てられていく。製造に使用するレアアース(希土類)は、危険な労働環境の下で採掘され、時に児童労働を伴いながら、世界中で土壌や水質の汚染を引き起こしていくだろう。iPhoneは世界を変えたが、アップルのやり方はそれほど変わっていない。彼らがやった目新しいことといえば、iPhone7シリーズにジェットブラック色を登場させたことくらいだ。




ジョー・ヴェイクス


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