オバマ米大統領の退任演説は「異例」だった
ニューズウィーク日本版 / 2017年1月11日 21時41分
では、なぜオバマはこうした演説を行ったのか。退任演説で直接的な批判こそしなかったものの、移民排斥など、オバマとは正反対ともいえるトランプの主張に対する危機感が念頭にあったのは間違いないだろう。
実際、トランプの側近の1人、ケリーアン・コンウェイは演説前、USAトゥデーにこう語っていた。「(オバマが)やったことの大半は次期大統領の任期中、もしかしたら最初の1カ月間で消え去ってしまうことをわかっているだろうから、(退任演説を)やるのは彼にとって素晴らしい考えだと思う」
11日、トランプは大統領選に勝利してから初となる記者会見を開く。20日には第45代米大統領就任だ。確かにオバマの「レガシー」は消し去られてしまうのかもしれないが、だからといって「最後の抵抗」と片付けるのは早計だろう。
オバマはまだ55歳。大統領としては最後の演説だったが、いまだ明かされていない今後の活動への最初の1歩なのかもしれない。
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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