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【写真特集】世界が抱える環境移民という時限爆弾

ニューズウィーク日本版 / 2017年1月18日 18時0分




ガンジス・デルタ
ガンジス川、ブラマプトラ川、メグナ川で構成するデルタのボンゴール中州には600家族が住む。中州は過去8年で4度、メグナ川の浸水に見舞われ、過去3年で広さは3分の2になった。このままでは1年半で消失し、人々は移住を余儀なくされる




ダッカ
市場カウランバザールのそばのスラムの光景。線路脇で何百人もの人々が暮らしている


MONGOLIA

モンゴルでは2010年の冬は特別に厳しく、全土で800万頭以上の羊や牛、馬などの家畜が死んでしまった。約2万人の遊牧民はやむを得ず首都ウランバートルへ移住。ウランバートルの人口は過去20年間で倍増している




アルハンガイ県
モンゴル特有の寒雪害「ゾド」で死んだ羊を引っ張るツァンバ・エルデネ・トゥヤ(29)。2000頭いた羊は3度の冬のゾドで半減してしまい、一家はぎりぎりの生活を送る




アルハンガイ県
エルデネ・トゥヤと3歳の息子トゥブチンジ。寝起きの息子が抱き締めているのは一緒に寝ている子羊。一家は最近、より温暖な気候を求めて北方のボルガン県からアルハンガイ県に移住してきた




ウランバートル
ウランバートルへの一極集中が進み、人口の半分に当たる120万人以上が居住する。そのうち半分が郊外のスラムであるゲル地区に暮らしている。同地区は無計画に広がり、水道や電気などのインフラも未整備だ。環境移民である元遊牧民たちの失業率も高い

HAITI

国連によれば、干ばつやハリケーン、洪水の頻度が高くなればなるほど、ハイチが受ける影響も増幅されていく。ハイチでは森林伐採が進み過ぎ、国土がほぼ丸裸だ。そのため自然災害の影響を受けやすく、農村部から都市部への人口流入も止まらない。首都ポルトープランスへは毎年、数千人の環境移民が流入。今ではこの街の外で生まれた住民が半分を占める




アズエイ湖
首都ポルトープランスから東へ60キロほどにあるアズエイ湖には、枯れたヤシの木々が残る。周
囲の家や農場をのみ込みながら広がり続け、面積は過去10年で倍になった。気候変動で降雨量が増えたことが主要因と科学者らは指摘している




アンス・ア・ピトル
ドミニカ国境のアンス・ア・ピトルの難民キャンプ。2015年に不法滞在者対策を強化したドミニカから追放された数百人のハイチ人が暮らす。このため干ばつなどを逃れた地方の人々は、大都市を目指すようになっている


撮影:アレッサンドロ・グラッサーニ
1977年、イタリア生まれ。広告業界で仕事を始め、国際イベントや社会的テーマを扱ってきた。個人的なドキュメンタリー・プロジェクトとして、主に気候変動や戦争が人々に与える影響について、長期にわたって取材をしている

Photographs by Alessandro Grassani-Institute

<本誌2016年8月16&23日号掲載>


≪「Picture Power」の記事一覧はこちら≫

Photographs by ALESSANDRO GRASSANI


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