弁護士グループがトランプ大統領を提訴、外国金脈を暴けるか
ニューズウィーク日本版 / 2017年1月24日 18時10分
外国からの報酬を禁止する憲法の条項にトランプを従わせようとする訴訟も、勝つのは容易ではないだろう。報酬に関する憲法の条項は、大統領に限らずすべての政府関係者に対して、外国企業から利益を得ることを禁じている。この禁止条項は、当時まだ生まれたばかりだったアメリカ民主主義の土台が、外国勢力のカネで転覆されるかもしれないという建国者たちの懸念を反映している。大統領になれるのはアメリカで生まれたアメリカ人に限る、という条項もそうした名残のひとつだ。
【参考記事】「トランプはロシアに弱みを握られている」は誤報なのか
少数の学者は、外国報酬を禁じる条項は大統領には適用されないと主張している。トランプのケースは憲法違反だという専門家でさえ、大統領は何を受け取ることができて何を受け取ることができないかの定義は、裁判所ではなく連邦議会に一任されると解釈する。共和党が議会を掌握するいま、上院か下院のいずれかが将来、トランプに外国からの報酬を開示させたり放棄させるとは思えない。
それでも、ハーバード大学教授で著名な憲法学者であるローレンス・トライブをはじめとする多数の法学者たちは、訴訟を推し進めようとしている。ノーマン・アイゼンとリチャード・ペインターの2人は、かつてバラク・オバマとジョージ・W・ブッシュの各政権で、それぞれ倫理問題に関する助言を行っていた。トランプは憲法に違反している、と彼らは言う。
ホワイトハウスはこの訴訟について、事業の経営権は2人の息子に移っており問題ないとしているが、これが最後の訴訟でないのは確かだろう。
マシュー・クーパー
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