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韓国大統領選挙は4月26日投票で確定? 出馬予定者走り出す

ニューズウィーク日本版 / 2017年1月27日 6時29分

(参考記事:パン・ギムンが韓国大統領選へ事実上の出馬表明 国内の反応は?)

 支持率1位のムン・ジェインは24日に外交や安全保障の専門家らと懇談会を持ったのに続いて、25日には江原道の平昌オリンピック会場を訪れ、冬季オリンピック組織委員会の事務所、スキージャンプの展望台などを相次いで訪問。軍の装甲部隊を訪問し、将兵ら励まし夕食をともにした。ちょうど4年前の大統領選挙では、ムン・ジェインはこの江原道でパク・クネに22万票もの大差をつけられた苦い思い出がある場所なだけに、今回は早々と訪れて支持を訴えたものと見られる。

二兎を追って支持率下げたパン・ギムン



次期大統領候補ムン・ジェイン、パン・ギムン、ファン・ギョアンの世論調査結果を伝える韓国JTBC(c) JTBC News / Youtube

 これに対して2位のパン・ギムンは、昨年12月よりも支持率を下げてダブルスコアの差をつけられた。一番の痛手は支持基盤である忠清圏でも支持率が18.2%に留まり、28.3%を記録したムン・ジェインに追い抜かれたことだ。韓国日報などによれば、パン・ギムンは国連事務総長10年の経験をアピールしつつ、既存勢力との差別化を図ろうと独自路線を主張したことが裏目に出たという分析が出されている。保守と革新の両方を取り込もうとした発言内容のブレが、二兎を追う者は一兎をも得ず、という結果を招いたもようだ。既に保守陣営の中からは、「パン・ギムンは保守のアイデンティティを確実に代弁してくれる人物でない」という声も出ているという。




ファン・ギョアン大統領権限代行が保守陣営から急浮上

 パン・ギムンが評価を下げた一方で急浮上してきたのが、パク・クネ大統領の権限停止に伴い大統領権限代行を務めているファン・ギョアン首相だ。支持率もこの1週間だけで2.3%上昇しており、3位のイ・ジェミョン城南市長とは並びつつある。こうした流れを意識してか、与党セヌリ党の幹部もファン・ギョアンを出馬候補として擁立しようと動き出している。またファン・ギョアン自身、街の市場やソウル駅などに出かけて市民との対話を活発に行い始めた。さらに旧正月の連休を前に「景気回復と国民統合のため」(韓国法務部)、過去5年間で最高となる844人の仮釈放を指示、「ファン・ギョアン大統領選挙出馬論」がにわかに本格化してきている。

(参考記事:「北の核の脅威、差し迫る」韓国ファン大統領代行、サード必要性訴え)

 こうしたなかで、世論調査トップのムン・ジェインを擁する、ともに民主党の大統領選予備選挙の候補登録の受け付けが開始された。実は、ムン・ジェインのほか、3位のイ・ジェミョン、5位のアン・ヒジョンも同じともに民主党に所属している。つまりともに民主党の予備選挙が終われば自動的に大統領選候補者は半分に絞られるわけだ。

 韓国では27日から旧正月連休が始まるが、大統領選の出馬候補者たちは地元に帰り、市民たちに支持を訴えるのに忙しくなりそうだ。

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


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