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ファイナンスは教養、「物の値段」を考えること

ニューズウィーク日本版 / 2017年1月31日 14時41分

 ビジネスパーソンとして日々のニュースに接していると、「ファイナンスの重要性」について触れた記事を目にしたり、それを実感したりするような機会があると思います。特にここ最近、その傾向は強まるばかりです。



 そうした流れの中で、興味を抱いてファイナンスのさわりの部分を勉強したものの、小難しい数式や、ディスカウント・キャッシュフロー法やNPVなどというカタカナ言葉やアルファベットに圧倒されて、本を手に取るのをやめてしまった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そんなことを繰り返していると、次第に「ファイナンスは机上の空論にしか過ぎないのでは?」という考えを抱くようになり、途中でファイナンスの勉強をやめてしまうことになります。

「ファイナンスがわかったからといって、それが何に使えるんだ?」

「それを使って、どうやって儲けられるんだ?」

「ファイナンスの知識があれば、会社の利益に貢献できるのか?」

 具体的な"活用策"がなかなか見えてこないうちにその必要性がわからなくなり、継続的に勉強するのをやめてしまうのです。

【参考記事】まんが:少ない努力で大きな成果を出すのが、80対20の法則

ファイナンスとは「物の値段」を考えること

 ファイナンスとは、一言でいうと、「物の値段」を考えることです。

 先ほど、ファイナンスは教養だ、というお話をしました。

 教養といえば、美術なんかも教養に入ります。美術品を見て、この美術品はこういう点がすばらしいとか、ここに工夫が凝らされているということを論ずるのが教養としての美術だと思いますが、ファイナンスも実はこれと一緒なのです。

 商品でもサービスでも何でもいいのですが、これにはいくらくらいの値段がつくはずだ。なぜなら......と「物の値段」を論じていくのがファイナンスのおもしろさなのです。

 物に値段をつけるのは、なにも目に見えるものだけではありません。時間や自由度など、目に見えないものにも値段をつけて、それを議論するのが教養としてのファイナンスです。ニュースで見るM&Aなどの話も同じです。M&Aの本質は、会社という目に見えないものに値段をつけ、買うべきか否かを判断することなのです。

 自分で考えた値段がほかのみんなが考えた値段よりも高ければ、お買い得のものを見つけたということになります。逆に、ほかの人が考えた値段が自分が考えた値段よりも高ければ、売り時なのかと考えてみる。これがファイナンスの考え方です。

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