マティス国防長官日韓訪問に中国衝撃!――「狂犬」の威力
ニューズウィーク日本版 / 2017年2月6日 6時0分
などがある。
動画ではない情報は多すぎるが、いくつかの例を挙げると:
●「駐在米軍費用の分担がマティス訪日の焦点:韓日を引き寄せて中国に対抗」(新華網)
●「マティス訪日は釣魚島"共同防衛"のため」(全文)(中国政府の参考消息)
●「米国防長官マティスは、なぜ韓国を先に日本を後に訪問したのか」(日本の報道を紹介しつつ)
●「米国防長官訪日 安倍が"定心丸"を呑みたいため」
●「米国防長官マティス訪日は"定心丸"のため:100%日本と肩を並べて」
などなどがある。
アメリカこそが地域の平和を乱していると批判を強める中、CCTVは最終手段として、キッシンジャー元国務長官を取材して「"一つの中国"原則は米中関係の基礎であり、不変のものだ」という主旨のことを言わせている。
特に今年はキッシンジャー氏自身が手掛けた上海コミュニケ(1972年)発表から45周年記念の年。中国としてはワラをもつかむ気持ちだろう。キッシンジャーが長生きで良かったと中国は思っているにちがいない。
特集番組では、たとえば韓国にいる「米軍駐留反対派」や「THAAD配備反対派」などの抗議デモをクローズアップするなど、選定的に報道している。
これらはいずれも、如何に中国が大きな衝撃を受けて動転しているかを示すもので、その意味ではトランプ政権の東アジア戦略は、今のところ功を奏していると言えよう。
「狂犬」の威力は大きい。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
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