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シャーロックとワトソンの名探偵コンビ、ドラマは衝撃の第4章へ(ネタばれ注意)

ニューズウィーク日本版 / 2017年2月8日 10時10分

【ゲイティス】このドラマは、ホームズとワトソンが名探偵とその相棒になるまでを描いてきた。バックグラウンドを紹介したんだ。次のシーズンを作るとしたら、今度はホームズが「出掛けるぞ」とワトソンを誘いに行く場面からいきなり始められる。2人はもう誰もが知る名コンビだから、説明は必要ない。

――妹役のシアン・ブルックはどうやって見つけた?

【モファット】キャスティング担当者に、スターになれるはずなのになっていない才能豊かな女優を探してくれと頼んだ。これでシアンは大スターになる。

【ゲイティス】ベネディクト・カンバーバッチみたいにね。



シャーロックの兄マイクロフトら常連に加えて今回は妹が登場 Courtesy of Laurence Cendrowicz / HARTSWOOD FILMS & MASTERPIECE

――第2話は最高だった。トビー・ジョーンズが殺人鬼のカルバートン・スミスを不気味に演じていて。放送中にツイッターをチェックしていたら......。

【ゲイティス】ちゃんとテレビを見なくちゃ!

【モファット】一瞬たりとも油断しないでくれ。スマホに目を落とした瞬間に......。

【ゲイティス】君は全てを見逃してる!

――観賞中はツイッター禁止?

【ゲイティス】当たり前だ。テレビから目を離すな!

【モファット】最終話には、90分に収まらないドラマが詰まっている。よそ見している暇はない。トイレも禁止。その場でしろ。

【参考記事】『ハウス・オブ・カード』が変えるドラマの法則

シャーロックは殺人鬼という裏の顔を持つ実業家スミス〔中央左〕を追う Courtesy of Ollie Upton / HARTSWOOD FILMS & MASTERPIECE

――了解。ツイッターではスミスをジミー・サビル(およそ40年間に少なくとも72人の少年少女に性的虐待を加えていたことが死後発覚したBBCの元名物司会者)になぞらえる声があった。スミスは権力を悪用して人を殺すが、その悪事に世間は気付かない。

【モファット】有名人がいかに名声に守られているかを描きたかった。有名だからというだけでドナルド・トランプがアメリカ大統領になれる世界で、名声に隠蔽された悪を描くのは理にかなっていると思った。

【ゲイティス】悪人には悪人の自覚がない。スミスは確かにサビルに重なるが、特定の人物をモデルにしたくはなかった。スミスもそうだが、最近は記者会見を開き、「身に覚えがない」としらを切るやからが多過ぎる。世間が有罪だと騒いでも有名人は逃げおおせる。

――スパイアクションの要素が入った第1話を、ガーディアン紙は『007』映画みたいだと批判した。マーク、あなたはこれに反論する詩を書いた。

【ゲイティス】的外れなことを言われてカチンときた。驚いたことに、あの詩はどんな取材記事よりも反響を呼んだ。これからはもっと詩を書こうかな。

【モファット】原作者のコナン・ドイルも同じことをした。ホームズについて詩の形式でばかげた批判を書いた評論家に、ずっと出来のいい詩で逆襲した。

――『007』もどきと揶揄されて、どう思った?

【モファット】第1話には3分間だけ殴り合いのシーンがある。アクションシーンが3分しかないボンド映画があったら、教えてほしいね。最終話のアクションは......ま、見てのお楽しみ。

[2017.2. 7号掲載]
トゥファエル・アフメド


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