23年目の大進化 オフィスチェアの傑作「アーロンチェア」
ニューズウィーク日本版 / 2017年2月8日 21時3分
いまでこそ、仕事環境もプライベート空間のように快適に整える考え方がポピュラーになりましたが、「アーロンチェア(Aeron Chair)」が誕生した1994年当時は事情が違っていました。長時間のデスクワークで椅子に座り続ける人たちは、無理な姿勢を強いられて腰や背中が痛くなる職業病が悩みの種でした。
(参考記事:快適な"使い心地"にこだわって、変化し、進化し続ける「STANDARD」)
その問題が一脚の椅子の登場により劇的に改善されたのです! 社会にこれほど貢献した椅子は、ほかに例があるでしょうか。大人気を博した理由は、美しい佇まいにもあります。ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久所蔵品にも選ばれたメカニカルなフォルムで、クリエイティブな職業人を中心に瞬く間に評判が広まりました。正規購入で「12年」という長期保証がつくことも、オフィスチェアとしての信頼性に結びついています。
(参考記事:アマゾンに、 男心をくすぐるスマートウォッチが勢揃い。)
この2017年1月に、誕生から実に20年以上を経てアーロンチェアが全面的にブラッシュアップされ、新登場しました。「そろそろ買い替え時期かな」と考えていた人には絶好の後押しになるでしょう。外見からは変化を感じにくいほど、最良を目指して絶妙に調整されたニューモデルです。おもな改良点は、「自然な動き」「ポスチャーフィットSL」「8Zペリクル」「カスタマイズフィット」の4点。
「自然な動き」とは、直立姿勢からリクライニングまでがシームレスにつながったことを指します。さらに、直立姿勢でも1.8度前傾に調整され、より自然な座り心地に。「ポスチャーフィットSL」とは、背中をS字型にキープする腰部分のサポートパーツのこと。2002年から組み込まれた調整可能なこの機構が、新しい次元へと進化しました。
新「アーロンチェア」グラファイトカラー。
機能美を体現する横姿。
どんなオフィス空間にも馴染むデザイン。
「8Zリスペル」は、座面と背もたれのメッシュシート。世界で初めてシートにメッシュを採用し、通気性と柔軟性とを両立させたアーロンチェアが、さらなる改良を加えました。一枚が8ゾーンに分けられ、編みの張力を変化させ、骨や筋肉の部位に応じたサポートを実現。これらを含む全機能を、誰でも最大限に自分の体に合わせることができるのが、「カスタマイズフィット」。リクライニングの硬さの調整は、従来品ではダイヤルをたくさん回す必要がありましたが、ニューモデルでは直感的な操作で済みます。90年代には実現できなかったことが、現代の技術で可能になったのです。
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