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トランプの「嘘」まとめ第2弾(テロ、世論調査、殺人ほか)

ニューズウィーク日本版 / 2017年2月10日 11時45分

入国禁止の大統領令に否定的な世論調査が出たことに対する反応だった。調査会社ギャラップによれば、55%が反対、42%が賛成(2日発表)。CNN/ORCの世論調査では、53%が反対、47%が賛成と答えている(3日発表)。

その一方、1月31日にロイターが発表した世論調査では、41%が反対、49%が賛成と、賛成が上回った。Morning Consult/Politicoの世論調査でも同様で、38%が反対、55%が賛成だ(2月2~4日実施、8日発表)。

世論調査は実施機関や手法によって結果に差が出るのが常であり、今回のように世論が二分している問題であればなおさらだ。問題は、トランプが「否定的な世論調査はすべてフェイク」と断定していること。これはもちろん、事実ではない乱暴な言いがかりである。

とはいえ、トランプの大統領選勝利を予想した世論調査はほとんどなく、世論調査への信頼度が低下している現状で、乱暴な嘘とはいえ、この訴えはトランプ支持者の胸に響いただろう。

(3)殺人発生率が過去45年で最も高い!

メディアを敵視した「嘘」は他にもある。2月7日にトランプは、ホワイトハウスで開かれた保安官たちとの会合でこんな話を披露した。

「演説でこの話をすると誰もが驚くのだが、それはメディアがその通りに伝えてこなかったから。殺人発生率がここ45年か47年の間で最も高いと言うのは、彼らにとって都合がよくないのだろう」

しかし、FBIの統計によれば、現在の犯罪率はむしろ歴史上最も低い水準だと、CBSニュースなどが反証している。最新の2015年の殺人発生率は10万人あたり推定4.9人で、例えば1980年の10.2人と比べても格段に低いという。



トランプの主張は明らかな「嘘」なのだが、彼は選挙戦の最中にも何度も持ち出していた。「アメリカの惨状」を際立たせるための誇張だと思われるが、これはあまりにも......。

ちなみにCNNのジェイク・タッパーは、トランプのこの発言を擁護した大統領顧問のコンウェイにこう言い聞かせた。「ケリーアン、メディアが伝えないのは嘘だから、真実ではないからだ」

(番外編)ブレグジットの前日、スコットランドで予言した!

トランプの「嘘」には意図がはっきりしないものもある。例えば、テリーザ・メイ英首相が訪米した際の共同記者会見で得意げに語った「奇妙で、必要のない嘘」(ネットメディア「クォーツ」の見出しより)。

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