トランプの「迷言女王」コンウェイ、イバンカの服宣伝で叱られる
ニューズウィーク日本版 / 2017年2月10日 16時30分
<事実や倫理を捻じ曲げてまでトランプや家族のために尽くすケリーアン・コンウェイが注意を受けた。処分はまだ不明>
トランプの大統領顧問ケリーアン・コンウェイは木曜、米FOXニュースのインタビューで、トランプの長女イバンカのファッション・ブランドの商品購入を呼び掛けて新たな迷言エピソードを作った。
高級百貨店のノードストロームは最近、イバンカのフッション・ブランド「イバンカ・トランプ」の売り上げ減少を理由に販売中止を発表した。すると父親でアメリカ大統領のドナルド・トランプが「娘に不公平だ」とツイートしたため、公私混同と問題になっていた。コンウェイはそこに困った助け舟を出したのだ。
【参考記事】親馬鹿トランプ、イバンカをかばい「利益相反」体質さらす
ホワイトハウスからの中継にコンウェイは笑顔でこう言った。「みんなイバンカの商品を買いに行くべきよ。素晴らしい商品で、私もいくつか持っている。無料で宣伝させてもらうわ。今日買いに行きましょう」
政府職員の地位を利用した特定商品の宣伝だ、と共和党幹部を含めた政府関係者から一斉に非難の声が上がった。下院監視・政府改革委員会の民主党トップ、イライジャ・カミングス議員(メリーランド州)は、「政府倫理局」に調査させ、コンウェイを懲戒処分にするよう要求した。「これほど政府職員の地位乱用が明白なケースも珍しい」と、ワシントンで米政府を監視する市民団体CREWのノア・ブックバインダー事務局長は言う。
献身的な努力の結果
ホワイトハウスのショーン・スパイサー大統領報道官は同日、記者団に対し、「その件ではコンウェイは注意を受けた」と言った。コンウェイに注意をしたのは誰なのか、どんな処分を受ける可能性があるかは不明だ。
【参考記事】サタデー・ナイト・ライブに「スパイサー報道官」が笑劇デビュー!
コンウェイはもともと、共和党のテッド・クルーズ上院議員など保守系の政治家のコンサルタントを務めていた。昨年夏にトランプの選挙対策本部長を務めて知名度を上げたが、トランプ当選と共に大統領上級顧問に就任してからは、トランプや関係者の尻拭いに献身的な努力を見せ、数々の迷言を残してきた。
今では有名な「オルタナティブ・ファクト(代替的事実)」はその代表。トランプ大統領の就任式の聴衆が「過去最大だった」と、誰が見ても嘘とわかる嘘をトランプが言い、ショーン・スパイサー報道官が公式に発表した後、記者に問い詰められて「それはオルタナティブ・ファクトだ」と答えた。また7カ国の国民の入国を禁止した大統領令を擁護するため、実際にはありもしないイスラム過激派による「ボウリング・グリーン虐殺」事件に言及したこともある。
【参考記事】トランプの「嘘」まとめ(就任式、対日要求ほか)
【参考記事】トランプの「嘘」まとめ第2弾(テロ、世論調査、殺人ほか)
ミシェル・ゴーマン
この記事に関連するニュース
-
CNNが大統領番記者の討論会場入り禁止、記者協会が強い懸念
ロイター / 2024年6月28日 7時16分
-
「トランプ陣営の世界戦略がさらに明るみに」その1 新文書が示す国際安全保障策
Japan In-depth / 2024年6月25日 23時0分
-
「上品」「ホット」人気リアリティ番組出演で話題のイバンカ・トランプ、水着姿で投げキス披露 投稿に「日本人詩人」の詩も
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月14日 13時35分
-
メディアで「大胆すぎる」ショットを披露した米大物政治家の娘、「ポルノじゃない」とアンチに大反論
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月8日 20時21分
-
トランプ氏に有罪評決、米大統領経験者で初 不倫口止め料裁判
ロイター / 2024年5月31日 9時55分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)