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ゲイ・コンテストに生きる希望を見出すシリア難民

ニューズウィーク日本版 / 2017年3月6日 15時15分



さらに、トプラク氏がハリウッド・レポーターに明かした話によると、映画に登場した男性2人が、撮影終了後にヘイト・クライムで殺害されている。また、映画でゲイであることが家族にバレてしまったフセインさんは、父親から殺すと脅されているという。

「生き抜くには、笑いながら人生を楽しまなければ」

しかし映画は、そんな同性愛者の逆境や恐怖を中心に描いてはいない。トプラク氏が映画を制作した理由は、「人生の逆境を乗り越えようとか人生をもっとよくしようという出演者たちの決意に感銘を受けたから。彼らは、楽しく笑いをもってそれをやってのけた。どんなことが起ころうと生き抜くんだ、という姿勢を教えてくれました」とハフィントンポストに語っている。

ガーディアンはさらに、「いつも泣いていたら、存在していないも同然」というハシノ氏の言葉とともに、トプラク氏の「こんな惨劇の中、一体誰がビューティ・コンテストなんて開催しようと思うんですか? 正気の沙汰じゃないですよ! でも実はこれが、(彼らにとって)生き残るすべなんです」という思いを伝えた。トプラク氏によると、コンテストはお祭り的なイベントであると同時に、「生き抜くには、笑いながら人生を楽しまなければ」という出演者の取り組みでもあるという。

作品は現在、ポストプロダクションの段階にあり、制作終了後には映画祭に出品される予定だ。アンタルヤ映画祭など複数の組織から、制作中の作品を対象とした助成金を得ているが、資金不足のため現在、クラウド・ファンディングにて資金調達を行っている。


松丸さとみ


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