【写真特集】震災から6年、福島の日常に残された傷跡
ニューズウィーク日本版 / 2017年3月10日 19時0分
<被災した福島の人たちはそれぞれに新しい生活を歩み始めている。しかし震災前のかつての日常が戻って来ることはもうない>
被災地は、まもなく震災から6年を迎える。
今年の年明けから、福島には何度も足を運んだ。
震災以降、取材を続けている人たちの状況はめまぐるしく変わり、季節は何度も移ろってきた。それでも福島の景色は、津波や原発事故に見舞われた事実を忘れさせてくれない。
復興に向けて歩み始めた人々の姿を捉えようと、現在の景色を切り取ってみた。しかし当たり前のことだが、そこにあるのは震災で深い傷を負った福島の姿だ。
【参考記事】<Picture Power>置き去りにされた被災者家族の願い
6年に渡ってずっと見つめてきたある酪農家の家族は、廃業した後も馬や羊の世話が苦悩を癒していた。街は一見、落ち着いているように見えるが、人々の生活に足を踏み入れてみると、そこには被災者しか感じることのないストレスが溢れている。
震災で失われた、かつての福島の日常が戻ることはもうない。それでも人々は、新たな日常を手にしようと立ち向かっている。
夜明け前の仮設住宅は静まりかえっていた(本宮市、1月1日撮影)
国道沿いの畑で行われていた野焼き(大玉村、3月6日撮影)
猪苗代湖は外国人観光客で賑わう(3月6日撮影)
平日の道の駅は閑散としていた(柳津町、3月6日撮影)
畑の脇に置かれた除染後の土(飯野町、3月7日撮影)
酪農を廃業してからの日課となっている馬の世話をする三瓶利仙さん(大玉村、3月5日撮影)
現在も帰宅困難区域の大熊町。国道沿いにはたくさんのゲートが設置されている(大熊町、3月7日撮影)
神社に参拝に来た人たち(会津若松市、1月1日撮影)
海沿いには津波で壊れた道路が残る(浪江町、3月7日撮影)
震災前は浪江町で酪農を営んでいた三瓶恵子さん。震災後も場所を変えて酪農を続けていたが、1年ほど前に廃業した(大玉村、3月5日撮影)
[写真:郡山総一郎]
1971年生まれ。写真家。2001年から写真家として活動し、「FRIDAY」「週刊文春」「AERA」「Le Monde」「Esquire」など国内外の媒体で写真を発表している。写真集に「FUKUSHIMA×フクシマ×福島」など。第7回上野彦馬賞グランプリ受賞。
(ウェブサイト、インスタグラム)
Photographs by SOICHIRO KORIYAMA
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