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朴槿恵大統領罷免とTHAAD配備に中国は?

ニューズウィーク日本版 / 2017年3月13日 15時40分



王毅外相は「米中首脳会談の日程調整を行っており、またティラーソン国務長官とも先般G20外相会談で隣に座り、その後二人で会談も行って気心が知れている」と、同じ口でアメリカをほめている。

その直後に米中首脳会談が4月6日に行われるだろうという情報が、中国政府関係者の間から、それとなく出てきた。

米国連大使が王毅発言に苦言

一方3月8日、米国のヘイリー国連大使は「あらゆる選択肢を検討している」と述べ、北朝鮮をけん制した。「あらゆる選択肢」は中国外交部が言った「必要な措置」と同じく、軍事行動を包含し得る。

ヘイリー氏は「会話を提案している国があるのは良いことだが、相手は理性のある人物ではない」「まずは北朝鮮が外交的解決を求める姿勢を見せるべきだ」として王毅外相の提案を皮肉った(北京とニューヨークの時差は12時間)。それはすなわち、「六者会談の可能性を模索するというのなら、中国が北朝鮮を説得せよ」と言ったことに等しい。

では、中国はどうするつもりなのか?

ロシアとの協調も

もちろんムン氏の次期大統領に期待しているのは言うまでもない。習近平政権誕生後、中朝首脳会談が行われていないように、中朝首脳の間は険悪だが、「ムン氏は北朝鮮に対してきっと融和策を採るだろう。そうすれば北朝鮮の姿勢もいくらかは緩和する可能性がある。会話のテーブルに着く可能性はゼロではない」と、中国は踏んでいる。

特に3月7日にTHAAD装備の韓国搬入が始まると、ロシアは、「軍事行動で反撃せざるを得なくなる」と表明した。その中でロシアは「これは新戦略兵器削減条約に違反する」と反発(新戦略兵器削減条約は2011年2月5日に、米露間で発効した核兵器の軍縮条約)。

中露ともに国連安保理常任理事国なので、アメリカが軍事行動に突き進むのを阻止する構えだ。

ただ、中国が緩衝地帯としての北朝鮮の存在を諦めればそれで済む話だが、中国としては、そこは譲れないと思っている。

ならば、北朝鮮を大人しくさせるべく、もっと積極的に動くべきだろう。

キム・ハンソル氏動画メッセージの陰で

その意味では、今年一杯の石炭輸入禁止以外に、キム・ハンソル氏に関する協力は北朝鮮を追い詰める役割を果たしていると言える。

3月8日、キム・ハンソル氏のメッセージが動画で公開された。それによれば彼は今マカオを離れて、どこかの国にいるようで、感謝している国の中に「中国」が入っている。



ということは、ハンソル氏の出国に関する便宜を図ったことになる。その直後、マレーシア警察は殺害された韓国籍男性キム・チョルがまちがいなくキム・ジョンナム(金正男)氏だと宣言。確認した方法は言えないとするマレーシア警察側に対して、現地メディアは「ホクロ」の位置から判断したとしているが、それなら、なぜこのタイミングなのか?

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