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来日したティラーソン米国務長官、同行記者1人、影響力なし

ニューズウィーク日本版 / 2017年3月17日 6時52分

出発直前の15日、米国務省の記者会見でマックパイクの独占取材について質問された広報官は、「米メディアのより幅広い代表」に機会を与えるためだと説明した。「新しい読者だ」「保守的な読者か? 友好的な読者か?」「新しい視点だ」――といったやり取りが記者との間であった。

しかし今回、マックパイクは取材内容を他のメディアと共有する「代表取材」の立場ですらない。その責務のない彼女が書く記事はおそらく、自身の所属するIJRにしか載らないだろう(日本時間16日23時現在、アジア歴訪の記事はまだ1本も同サイトに掲載されていない)。



仮に敵対的なメディアを排除したかったのだとしても、謎は深まるばかりだ。

トランプ政権の方針以前に、ティラーソン自身にもおそらく原因がある。彼はエクソンモービルCEO時代からメディア嫌いで、あまり取材を受けなかったとされる。国務長官就任後も、インタビューは一切受けていないし、外部への発信に消極的だ。

【参考記事】ロシア通の石油メジャーCEOがトランプの国務長官になったら外交止まる?

それも影響してか、仕事ぶりの評価は総じてよくない。

国務長官は通常なら最も重要な閣僚だが、ティラーソンは「立場が非常に弱い」「トランプの信頼を得ていない」「訪米した首脳との会談にほとんど同席していない」と、コロンビア大学のロバート・ジャービス教授はフォーリン・ポリシー誌に書く。

スレートによれば、外交政策への影響力はスティーブン・バノン、ジャレッド・クシュナー両上級顧問より下だ。さらには、国務省の予算が最大37%減らされるとも報じられている。

であれば、日中韓の当局者はこう思っているかもしれない。そんな国務長官と会談をしたところで、一体どれほどの意味があるのか。


ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


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